稲葉浩志

2015年01月17日

稲葉浩志 アルバムレビュー 1997-2010

稲葉浩志 アルバムレビュー。


『マグマ』
(1997年1月29日 最高1位 初動62.8万枚 売上100.1万枚 登場12週)

【冷血/くちびる/そのswitchを押せ/波/眠れないのは誰のせい/Soul Station/arizona/風船/台風でもくりゃいい/灼熱の人/なにもないまち/Chopsticks/JEALOUS DOG/愛なき道/Little Flower】

B'zのボーカル・稲葉浩志のソロデビューアルバム『マグマ』。先行シングルもタイアップも無い状況でのリリースだったがチャート初登場1位を獲得。ミリオンを突破する大ヒットとなった。ソロ最大のヒット作でもある。一応全曲にMVが存在するらしい。このアルバムの2カ月後にはB'zとしてシングル「FIREBALL」をリリースし、B'zの活動に戻った。

全編に渡って、ある独りの男の内省的な嘆き・ボヤキが展開され続けるかなり暗く地味な内容。B'zとの最大の違いは曲まで自分で手掛けているという点だが、作曲者が異なるというだけでこんなにもイメージが変わるものなのか…。B'zと同じ感覚で聴いてしまうとまず入り込めないと思う。「愛なき道」のように明るめな曲もあるにはあるものの、それでもやはりどこか影を背負っている感は強い。通して聴くと結構滅入る。個人的には『CDTV』等のランキング番組で耳にした事のあった「波」が唯一気に入ったくらいで、全体的にはどうにもそこまでハマれない一枚。ただ「Soul Station」から醸し出される強烈な絶望感は若干癖になりそうな気もするので、あと数年経って聴いたらどハマリする可能性もある。

満足度★★★☆☆



―――――――――――――――――――――――――

『志庵』
(2002年10月9日 最高1位 初動34.0万枚 売上46.1万枚 登場14週)

【O.NO.RE/LOVE LETTER/Touch/TRASH/Overture/GO/ファミレス午前3時/あなたを呼ぶ声は風にさらわれて/Here I am!!/炎/Seno de Revolution/とどきますように】

2ndアルバム『志庵』。前作から約6年ぶりのアルバムリリース。間の98年12月に1stシングルとして「遠くまで」がリリースされていたが今作には未収録(2015年現在もアルバム未収録)。「志庵」とは稲葉のプライベートスタジオの名前であるという。2002年はB'zとして6月にシングル「熱き鼓動の果て」、7月にアルバム『GREEN』をリリースしており、ツアー後の秋にソロとして今作が発売された。いつの間に制作していたのだろうか?

閉塞的で内へ内へと向かっている印象だった前作と比べると、わりかし聴きやすさが増している。というかB'zっぽさが増しているとでも言うべきか。プロモーション楽曲として歌番組でも歌われていた「Touch」もややマニアックな仕上がりながら耳に残る強烈な一曲だし、発売後に『名探偵コナン』タイアップが付いた「Overture」なんかはモロにB'zっぽさ全開の壮大なロックバラードで名曲だ。前作よりもロック度は格段に上がっているので、B'zのイメージのまま聴いてもそんなに抵抗は無いかなと思う。ただ前半はそんな感じで聴きやすかったものの、後半になってくるとまたも地味めな曲が続き若干きつい感覚を抱いた。やはりもっと聴き込んでいかないと真髄までは入り込めないようだ。

満足度★★★☆☆



―――――――――――――――――――――――――

『Peace Of Mind』
(2004年9月22日 最高1位 初動22.0万枚 売上29.9万枚 登場11週)

【おかえり/Wonderland/THE RACE/正面衝突/水平線/すべての幸せをオアズケに/Tamayura/ハズムセカイ/幸福への長い坂道/横恋慕/SAIHATE HOTEL/I AM YOUR BABY/透明人間/あの命この命】

3rdアルバム『Peace Of Mind』。7月に発売されていたシングル「Wonderland」(1位 22.5万枚)収録。ソロシングルがアルバムに収録されるのは自身初。一方で2003年に発売されていた2ndシングル「KI」収録曲は未収録となった。初回盤は「正面衝突(THE ROCK ODYSSEY at 横浜国際総合競技場 2004年7月24日)」のライブ映像を収録したDVDが付属。04年は松本も自身のバンド『TMG』を結成したりとお互いにソロ活動をしていたが、並行してB'zの活動も行っていた(5月に「BANZAI」、9月に「ARIGATO」をリリース)。

ロック調で勢いのある曲も結構あるが、やはりどれもソロ独特の空気感に包まれていていまひとつ突き抜けていないというか、抑え気味な感じがする。唯一のシングル「Wonderland」も派手さはあるがキャッチーかと言われるとそうでもないし…。全体的に勢いはあるんだけど、1stや2ndにはかろうじてあったグッと染みるような良さも感じなかった。B'zバラードをなぞったような「水平線」が一番良く感じたあたり、自分はやはりソロ作品にもB'zっぽさを求めてしまっているんだなと…。

満足度★★☆☆☆

 初回盤DVD付  通常盤

―――――――――――――――――――――――――

『Hadou』
(2010年8月18日 最高1位 初動12.7万枚 売上17.8万枚 登場13週)

【LOST/絶対(的)/The Morning Call/Okay/Lone Pine/エデン/CAGE FIGHT/今宵キミト/この手をとって走り出して/去りゆく人へ/不死鳥/主人公/リトルボーイ/赤い糸/イタイケな太陽】

4thアルバム『Hadou』。前作から6年ぶりのアルバムリリース。シングル「Okay」(1位 13.4万枚)収録の他、TBS系『NEWS23クロス』エンディングテーマの「この手をとって走り出して」や、2006年に日本テレビ系アニメ『結界師』エンディングテーマとして発表されたままCD化されていなかった「赤い糸」(アニメ放映時とはアレンジ違いらしい)等タイアップ付きの曲が多数収録されている。「CAGE FIGHT」と「去りゆく人へ」はどちらも宇浦冴香に提供した楽曲のセルフカバー(原曲はそれぞれ「友達以上恋人未満」「君を想い眠る夜は」)。ラストの「イタイケな太陽」終了後にアコースティック風味の隠しトラックが収録されている(タイトル不明)。初回限定盤は過去曲のMVを収めたDVD付き。2010年はデビュー以来初めてB'zとしての作品リリースが無い一年となった。

ソロらしからぬ爽快なポップナンバーである先行シングル「Okay」のイメージのまま、アルバム全体も今までにない開放感に満ちている。これまでのソロ作品にあった暗くジメッとした空気の曲は無く、どの曲もそこそこのキャッチーさとパワフルさを兼ね備えていて聴き心地が良い。勢いだけなら前作にもあったんだけど、今作ではそれにメロディアスな要素も加わってパワーアップしている感じ。稲葉ソロ作品の中では一番B'zとの境界線が薄く、最もB'zらしいソロアルバムであると思う。シングル「Okay」は文句ナシの名曲だし、「エデン」「この手をとって走り出して」「イタイケな太陽」などのアルバム曲もかなり良い。個人的には一番好きなソロアルバム。

満足度★★★★☆

 初回盤DVD付  通常盤




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
kazeno_yukue at 00:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)