歌手別シングル&名曲レビュー

2017年04月20日

Mr.Children シングル&名曲レビュー 1996-1997(※更新中)

「ミスチル現象」なんて呼ばれる程の大ブレイクを果たした一方で桜井の精神状態はダークな方向へ向かい、ついに衝撃の問題作『深海』を発表するに至り97年春には無期限活動休止を宣言。その後98年秋に復活を果たしベスト盤へ向かうまでの5年間を振り返ろう。この時期はキャリア中最も難解でロック色が強かった。

デビューから95年までのレビューは
Mr.Children シングル&名曲レビュー 1992-1995
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10thシングル「名もなき詩」
1996年2月5日 初登場1位 初動120.8万枚 売上230.9万枚 登場17週
フジテレビ系ドラマ『ピュア』主題歌。初動120万枚を記録した自身2番目のヒット曲。史上初の初動ミリオンシングルでありこの初動は2011年にAKB48「Everyday,カチューシャ」に抜かれるまで15年間1位を保持した大記録であった。ただ当時はO社の集計方式が現在と異なっており流通の関係上前週の金曜日から店頭に並んでいた分も全て1週目の数字に集計されたため完全に公平な初動というわけでも無い。

シンプルなバンドサウンドに哲学的な歌詞が乗り、曲が進むに連れてどんどん盛り上がってゆく。具体的なジャンル分けの出来ないとても独特な楽曲だと思う。とにかく最高の1曲としか言いようのない大名曲。ラップ調の早口部分から転調した最後のサビになだれ込む部分は圧巻。J-POP史上最もテンションの上がる部分である(個人的に)。気分によって変動はあるもののミスチルの曲でどれが一番好きかと問われたらまずコレを挙げる事が殆ど。
満足度★★★★★
収録アルバム:5th『深海』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』、他

C/W「また会えるかな」
ほんわかした曲調ながら決意表明のような歌詞は力強い。5thアルバム『深海』の「臨時ニュース」の一部にこの曲が使われている。中学時代にミスチルを聴き始めた頃友人からこの中古シングルを貰ったのでアルバム未収録C/Wの中ではかなり早い段階で知っていた曲である。
満足度★★★☆☆
収録アルバム:C/W集(14th)『B-SIDE』



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11thシングル「花-Memento-Mori-」
1996年4月10日 初登場1位 初動63.9万枚 売上153.9万枚 登場15週
この曲のみ収録した500円シングルとして発売。B'zに次いで当時歴代2位となる8作連続ミリオンセラーを記録した(現在ではAKB48、B'zに次ぐ歴代3位)。スピッツ「チェリー」と同日発売であり初動では30万枚程の差をつけて勝利。しかしその後の伸びは両者共に凄まじく4週目にして「チェリー」も1位を獲得。最終的なセールスは「チェリー」が10万枚程上回った。

中学生の頃、親によってビデオ録画されていたMステ10周年スペシャル(Mステは96年に10周年を迎えたがそのスペシャルの録画を僕が観たのは6年後の02年頃だった。ややこしい)の中で聴いたこの曲を一発で気に入り初めてミスチルのCDを買った(お馴染みブックオフで『深海』を…)。なのでミスチルファンになった直接的なキッカケはこの曲という事になる。サブタイトルの意味はラテン語で「死を想え」。絶望的なアコースティックギターの響きから始まる、重く暗い楽曲。しかしメロディーの美しさはピカイチで、曲のラストには僅かながらも希望が感じられる仕上がりになっている。「名もなき詩」に負けず劣らずこれまた大名曲。間奏のギターソロが好きで、高校時代によく練習した。このシングルの2ヶ月後、衝撃の問題作『深海』を発表しいわゆる「深海期」に突入する事になる彼ら。そんな彼らの暗黒期を暗く、しかし美しく象徴するのがこの曲なのである。どうでもいいが桜井さんの歌い方が〈いま~♪〉ではなく〈いも~♪〉に聞こえるのは僕だけか。ちなみにわたくしマー、この年の春に小学校入学。
満足度★★★★★
収録アルバム:5th『深海』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』、他



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「シーラカンス」
5thアルバム『深海』収録曲。海に沈むインスト「Dive」からノンストップで音が繋がっており、暗いギターの音色とまるで死んだようにどんよりとしたボーカルで幕を開ける。少しの光も射さないまさに深海で歌われているかのように暗黒な一曲。執拗に繰り返される〈シーラカンス〉とは何かの比喩なのだろうか。一部ではMr.Children自身の事を指しているとの説も。終盤ではテンポアップしまた冒頭のアコギに戻ってゆく。絶望的に暗いもののロックバンド・ミスチルとしてはかなりカッコ良いナンバーだ。ニューヨークで録音された成果なのかどこかこもったようなじっとりしたサウンドが最高にマッチしている。
満足度★★★★★
収録アルバム:5th『深海』

「手紙」
5thアルバム『深海』収録曲。「シーラカンス」からさらにノンストップでこの曲に繋がる。CDデッキに表示される秒数を凝視していないとどこで切り替わったのかよく分からない。ベスト盤の解説によると『深海』の結末はこの曲であるという。ピアノ主体であり、春の穏やかさが広がるゆったりとしたバラード。短く儚いがとても良い曲だ。
満足度★★★★☆
収録アルバム:5th『深海』

「ありふれたLove Story~男女問題はいつも面倒だ~」
5thアルバム『深海』収録曲。男女の出会いから別れまでを描いたまるでショートムービーのような一曲。ドレミファソラシドそのまんまな感じのサビが小気味良くて好き。今作の中では「Mirror」と並んで明るい雰囲気である。
満足度★★★★★
収録アルバム:5th『深海』

「Mirror」
5thアルバム『深海』収録曲。可愛らしい曲調のミディアムナンバー。ライブではギターの田原が鉄琴を披露するという事で田原ファンの間では伝説化している曲でもある。ベスト盤に唯一収録されたのがこの曲だった。『深海』はアルバム全編通して確固たる世界を作り上げてしまっているのでこれくらい軽い曲じゃないとむやみに引っ張ってこれなかったんじゃなかろうか。
満足度★★★★☆
収録アルバム:5th『深海』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』

「So Let's Get Truth」
5thアルバム『深海』収録曲。アコギとハーモニカによる弾き語りナンバー。しゃがれた声や社会風刺全開のムードは長渕剛を思わせる。何気にメロディーは爽やかなので聴き心地は良い。2分にも満たない小品という感じの曲なのでカラオケで歌うとミスチルファン以外は「え?もう終わり?」という反応になる。曲が終わるとサイレンの音と共に「臨時ニュース」へ移行するのでここから「虜」まではほぼノンストップで繋がっているとも言える。
満足度★★★★☆
収録アルバム:5th『深海』

「ゆりかごのある丘から」
5thアルバム『深海』収録曲。前曲「マシンガンをぶっ放せ」から音が繋がっているスローナンバー。どっしりした曲調やその物悲しい歌詞も相まってこの曲近辺がアルバム中最も暗いゾーンであると感じる。特に〈僕が戦場に行っているその間 君はもう違う誰かの腕の中 そして僕は一人〉なんて悲しさMAX。歌詞に登場する〈手紙〉は3曲目の「手紙」を指しているという説も。
満足度★★★★☆
収録アルバム:5th『深海』

「虜」
5thアルバム『深海』収録曲。「ゆりかごのある丘から」ラストのヘリの音が徐々に大きくなりドラム音になってゆきなだれ込むようにこの曲が始まる。個人的にこの狂ったような切り替わり部分は恐怖を感じる。くすんだギターとしゃがれたボーカルでこれまたマイナーでダークな一曲。当初はアルバムの中では苦手な部類だったがライブ映像等でそのカッコ良さに気づいてからは好きな一曲となった。終盤ゴスペルシンガーによるコーラス主体となる部分は神々しささえ感じる。カラオケでこのコーラスを再現しようと試みてもただの断末魔の叫びになってしまうので物真似はオススメしない。
満足度★★★★★
収録アルバム:5th『深海』

「深海」
5thアルバム『深海』のラストを飾るタイトル曲。「シーラカンス」とは対になっており〈シーラカンス これから君は何処へ進化(すす)むんだい〉〈シーラカンス これから君は何処へ向かうんだい〉という自分自身への問いかけのようなフレーズが目をひく。途中までは淡々と進んでゆくが終盤になると派手に盛り上がり〈連れてってくれないか 連れ戻してくれないか 僕を〉というメロディーとも叫びともつかないシャウトを連発。ラストの水音は深海から出ようとする音なのか、それともさらに深く潜ってゆく音なのか…。やはり〈シーラカンス〉とはミスチルそのもの、もっというと桜井自身の心だったのであろうか。
満足度★★★★☆
収録アルバム:5th『深海』



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12thシングル「マシンガンをぶっ放せ-Mr.Children Bootleg-」
1996年8月8日 初登場1位 初動30.2万枚 売上73.3万枚 登場11週
5thアルバム『深海』からのシングルカットとなる「マシンガンをぶっ放せ」と新曲2曲を収録。96年当時としては珍しかったマキシシングルでの発売だった。全盛期特有の勢いで1位は獲得したがさすがに93年の「CROSS ROAD」から続いていた連続ミリオンは8作でストップした。

「マシンガンをぶっ放せ」
〈核実験〉〈疫病〉〈コンドーム〉といったワードが飛び交うかなり攻撃的でダークな曲。ロックなミスチルを好む層からは評価が高い。僕も聴いた当初こそ戸惑ったものの現在ではかっこよくてかなり好きな一曲になった。アルバムでは次曲「ゆりかごのある丘から」とヘリの音で繋がっているが今作では完全に独立している。なので厳密にいうとこれはシングルバージョンという事になるがアレンジやミックスに違いは無い。PVが存在しないようだ(CDTVでよく流れる地を這い回るような映像はPVでは無いらしい)。
満足度★★★★★
収録アルバム:5th『深海』

C/W「Love is Blindness」
いかにも深海期真っ只中という感じのダークでどんよりした曲。あまりにも暗いがガリっとしたロック感がたまらなく好み。
満足度★★★★☆
収録アルバム:C/W集(14th)『B-SIDE』

C/W「旅人」
C/Wでは1、2を争う人気曲であろう。テンポのある爽快ロックナンバーだが歌詞はどこか暗いしボーカルが掠れていたりしていてやはり深海期なんだなぁと感じる。『深海』を引っ提げたライブ『regress or progress』のDVDで1曲目を飾っており、CD音源よりも先にそのライブ音源を聴いたのだがその時から大好きな一曲。4人で演奏している!って感じが良い。
満足度★★★★★
収録アルバム:C/W集(14th)『B-SIDE』



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13thシングル「Everything(It's you)」
1997年2月5日 初登場1位 初動60.2万枚 売上121.7万枚 登場13週
日本テレビ系ドラマ『恋のバカンス』主題歌。前作はリカットという事でミリオン割れしたが今作では再びミリオンに盛り返した。〈すてええええええええええ〉というサビが印象的などっしりバラード。良メロで好きな曲ではあるがすぐ1ヶ月後にはアルバム『BOLERO』がドカ売れし無期限の活動休止に入ったのでミリオンシングルとはいえ存在感がちょっと薄いかなとも思う。桜井が弾いているという間奏のギターソロがカッコ良く、高校時代には猛練習したが未だに完璧には弾けない。ライブ映像を観るとこのギターソロは前半は田原が弾き後半で桜井にバトンタッチしている。
満足度★★★★☆
収録アルバム:6th『BOLERO』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』、他

C/W「デルモ」
女性モデルの視点でモデルの現実と苦悩を歌った異色作。ソウルっぽさもあり中々に好きな曲。だがそれは僕がミスチルファンだからでありファン以外の一般人にはウケないとも思う。ラストに〈私が世界の 水泳大会の おりも政夫〉というフレーズがあるが誰だよ?という感じで最初は戸惑った。調べたら70年代を代表するアイドルグループ・フォーリーブスのメンバーらしいが全く知らない…。
満足度★★★★☆
収録アルバム:C/W集(14th)『B-SIDE』






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2017年04月11日

Mr.Children シングル&名曲レビュー 1992-1995

わたくしマーが生涯で最もハマったバンドと言えるMr.Children。メンバーは桜井和寿(ボーカル・ギター)、田原健一(ギター)、中川敬輔(ベース)、鈴木英哉(ドラム)の4人。今や国民的とも呼ばれる彼らの楽曲を紹介していこう。デビュー期は屈託のないポップなラブソングを歌う好青年バンドだったが、93年暮れ~94年のブレイク期になるとやや難解な世界観が姿を見せ始める。

※2013年にこのブログで一挙レビューを書いたものの感想が古くなってきたので改めて現在の感覚で書き直して行こうと思う。今回はじわじわ追記型でのんびりやっていくのでどうかお付き合い下さい。


「ロード・アイ・ミス・ユー」
1stアルバム『EVERYTHING』の1曲目を飾るまさに始まりの一曲。ジャッ、ジャッ、ジャッと刻むイントロが印象的。Aメロは暗いがサビになると明るいコード進行になる。初期3アルバムは4th以降と方向性がかなり異なる上に存在感も薄いので、記念すべき1曲目と言っても知名度は低い。昔よく見ていたファンサイトの情報によると96年~97年のツアー『regress or progress』で披露されたらしいがVHS化の際にあえなくカットされてしまったという。残念…深海期のミスチルがこの曲を演奏する所を見てみたかった……。
満足度★★★☆☆

「CHILDREN'S WORLD」
1stアルバム『EVERYTHING』収録曲。初期らしいストレートなポップソング。いわゆる青春ソングと呼ばれる類の曲よりもさらに年齢の若い少年ソングという感じがする。ファンになった02年以降に後追いで聴いた際には「初期はこんな真っ直ぐでキラキラした曲を歌っていたのか…!」とビックリしたものである。タイトルにバンド名の一部が入ってはいるが、これといってミスチルを象徴する一曲!みたいな扱いをされているわけでは全く無い。
満足度★★★☆☆



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1stシングル「君がいた夏」
1992年8月21日 最高69位 売上2.2万枚 登場6週
デビューは5月のミニアルバムだった為、形式的にはこの曲がデビュー曲として語られる。『EVERYTHING』からリカットされた爽やかなミディアムポップであり、ブレイク後の難解な世界観を打ち出すミスチルの姿はここには無い。〈夕暮れの海〉や〈ひまわりの坂道〉といった情景が浮かぶセンチメンタルな歌詞が可愛らしくメロディーも中々良いが、記念すべきデビュー曲とは言えキャリアの中では存在感は地味。92年当時にもしコレ聴いても、後に天下を獲る日本を代表するモンスターバンドだ!!とは到底思えないだろうなぁ…という気はしてしまう。ちなみにDEENの「君がいない夏」とタイトルが異常に似ているので混同しがち。「いる」のがミスチルで「いない」のがDEENである
満足度★★★☆☆

C/W「グッバイ・マイ・グルーミーデイズ」
軽快なテンポの一曲。初期らしく甘酸っぱい空気を纏っているが、ちょこまかした演奏だったり明確なサビが無い構成などが癖になり今ではA面よりも好きな曲だ。是非ライブで聴いてみたい。後の2ndアルバム『KIND OF LOVE』に収録された。
満足度★★★★☆



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2ndシングル「抱きしめたい」
1992年12月1日 最高56位 売上6.1万枚 登場16週
2ndアルバム『KIND OF LOVE』と同時発売。初期の楽曲ながら未だに多くのファンに愛される人気曲。所謂ブレイク前の隠れた名曲ポジション。タイトルと同じ〈だき~しめ~たい~♪〉というサビに全てが詰まっている名曲だ。しっとりした雰囲気で始まり、ラストは転調して盛り上がって終わるという構成で、ギターも結構鳴っておりイメージ以上に派手だったりする。AメロがGコード、サビがB♭、ラストサビがCで実は転調だらけの曲なのだがこれはプロデューサー小林武史(通称コバタケ)のアイデアだとか。
満足度★★★★☆

C/W「君の事以外は何も考えられない」
デビュー前の渋谷La.mama時代からあるというとびきり爽やかなポップソング。これも初期だからこその作風で、90年代後半のミスチルでは絶対に歌えなかったようなピュアさがあるが現在のミスチルならば一周まわって似合いそう。
満足度★★★☆☆



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「虹の彼方へ」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』収録曲。アルバムの1曲目を飾る実に爽やかなポップナンバーであり、シングルでもいけたんじゃないかという程に若さと勢いに満ちている。僕が初めて聴いたのは02年暮れ、桜井小脳梗塞後の一夜限り復帰ライブの生中継であった。アンコール明け一発目に弾き語りで歌われ、そのまま「Any」に繋がるという感動モノの演出だったので一際印象に残っている。動画サイトで96年頃に音楽番組でこの曲を歌っているミスチルを観た事があるけどあの鬱屈とした時期にはお世辞にも合っているとは言い難かったなぁ…。声も掠れてたし。
満足度★★★★☆

「Distance」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』収録曲。アルバムの中では「All by myself」と並んで暗いナンバー。最初に聴いた頃は全く引っ掛からなかったが何度か聴いていく内にお気に入りの一曲となっていった。高校生時代、周りにミスチルファンは増えたものの初期曲について語っている人は殆どおらず結局この曲の良さを語り合えたのは中学時代からの盟友Shall君だけであった。
満足度★★★★☆

「思春期の夏~君との恋が今も牧場に~」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』収録曲。桜井ではなくドラムの鈴木英哉がボーカルを担当しているという、ミスチル全楽曲の中でもかなりの異色曲。コンセプチュアルなアルバムづくりが主体となっていったブレイク以降ではこのようなお遊び枠というか、箸休め的な曲は皆無になったので鈴木の歌声が聴けるこの曲はかなり貴重だ。曲の方は思春期真っ只中の頃を回想するノスタルジックなほのぼのソングでサビでは桜井がコーラスを担当するという贅沢な仕様。
満足度★★★☆☆

「星になれたら」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』収録曲。JUN SKY WALKER(S)の寺岡呼人との共作であり、ファンタジー性溢れる初期の名曲。ベスト盤『Mr.Children 1992-1995』にも選出されていて2ndアルバムで最も人気が高いのはこの曲だろう。〈長く助走をとった方が より遠くに飛べるって聞いた〉というフレーズが好きで、昔から事あるごとに思い浮かべては勇気付けられている。いかにも初期らしい、キラキラした青春ソングだ。
満足度★★★★☆

「いつの日にか二人で」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』収録曲。アルバムの最後を締めくくるしっとりバラードで伴奏はピアノとストリングスのみ。〈あのひとから見れば僕は 年下のDearest Friend〉というフレーズから、年上女性への淡い恋心を歌っていると思われる。20代前半だったからこそ歌えた一曲であろう。
満足度★★★★☆



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3rdシングル「Replay」
1993年7月1日 最高19位 売上8.8万枚 登場9週
グリコ「ポッキー」CMソング。初の全国的なタイアップという事で気合いが入っていたのか、15秒にしっかり収まるように作られたサビはキャッチーで印象的。聴いていて非常に心地いい爽やかソングだ。大ヒットとまではいかなかったが初のTOP20入りを果たし、大ブレイクへの大きなステップとなった。この曲に関しては2011年に見に行ったライブ『STADIUM TOUR SENSE-in the field-』で生で聴けたのが思い出。まさかこんな懐かしのシングルを演奏するとは思っていなかったので嬉しかった。
満足度★★★★☆

C/W「All by myself」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』からのリカット。初期にしては珍しいシリアスでダークな曲。チャカチャカしたギターのカッティングが印象的。96~97年のツアー『regress or progress』で披露されたようでドキュメントビデオには1コーラスのみ収録されておりこれが非常にカッコいい。肝心の本編のビデオには未収録なのが悔やまれる。
満足度★★★☆☆



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「Another Mind」
3rdアルバム『Versus』収録曲。ブレイク期以降の片鱗を匂わせるようにシリアスな一曲。〈誰かが定めた自分を演じてる〉〈流されるのも慣らされてたどり着けばいつも Oh No〉等の自分探し系フレーズは後の「名もなき詩」とかに通じる部分があるかも。
満足度★★★★☆

「メインストリートに行こう」
3rdアルバム『Versus』収録曲。弾けたシティポップという感じのアップナンバー。たぶん「Dance Dance Dance」とか「everybody goes」が出てくる以前はこの曲がライブの盛り上げ役だったのだろう。初期という事でどこか演奏が固いような気もするけどこの感じが割と好きである。
満足度★★★☆☆

「逃亡者」
3rdアルバム『Versus』収録曲。「思春期の夏」に続く鈴木英哉ボーカル曲であり更に今回は作詞作曲が小林武史という超絶異色曲となっている(インストを除くと桜井が詞曲ボーカルに関わっていない唯一の楽曲)。しかし小林曲といっても後のMY LITTLE LOVER等で見られるような哲学的な色は薄く、「思春期の夏」みたいなほのぼのした曲になっている。よく聴くと悪くない曲だが、やはりこれがミスチルの曲と言われると違和感しか無いであろう。ブレイク後は挟む余地が無くなり鈴木ボーカル曲はこれにて終了。
満足度★★☆☆☆

「LOVE」
3rdアルバム『Versus』収録曲。男の若さゆえの恋愛観を歌った陽気で甘酸っぱいポップソング。初めて聴いたのは『Mr.Children 1992-1995』でだったが、メロディーのどキャッチーさに一発で魅了され未だに大好きな一曲。ブレイク前のアルバム曲にもこんな良い曲があるんだ!と感激したのを覚えている。名曲である。最後のサビはほぼ息継ぎ無しで転調するのでカラオケで歌う際には肺活量が求められる。
満足度★★★★★

「my life」
3rdアルバム『Versus』収録曲。〈僕のラブレター〉〈壁の破れたー〉〈ついにフラれたー〉の韻がクセになる失恋ソング。と言っても終わった恋を明るく歌うポップスなので湿っぽさは皆無。『Mr.Children 1992-1995』にも選出されておりこのアルバムでは「LOVE」と並んで人気・知名度の高い曲である。歌詞に登場する「62円」は当時の郵便料金。
満足度★★★★☆



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4thシングル「CROSS ROAD」
1993年11月10日 最高6位 初動6.6万枚 売上125.6万枚 登場50週
チャート初登場9位を獲得しシングル初のTOP10入りを果たした後もじわじわ売れ続け、94年1月24日付で最高位の6位を記録。4月18日付でついに100万枚を突破し、自身初のミリオンセラー、更に最大のロングヒットとなった。日本テレビ系ドラマ『同窓会』主題歌として第1話分の台本だけを読んで曲を作った桜井が「ついに100万枚売れる曲が出来た!!」と叫んだというエピソードはあまりにも有名だがその予言の通りの大ヒットであった。確かにこれまでの楽曲と比べても詞・曲・アレンジの完成度やインパクトが桁違いで、バンドが新たなるステージに突入したというオーラがひしひしと伝わってくる。名曲である。この曲のヒットによってミュージックステーションやポップジャム等の音楽番組に初出演し、バンドの知名度も一気に上昇。「ミスチル現象」のまさに発端となったシングルであった。

ちなみにタイアップだったドラマ『同窓会』は同性愛をテーマとしたかなり過激でぶっ飛んだ内容だったらしい。このドラマには当時新人だったTOKIOの山口達也と国分太一も出演しており、特に山口は最後に矢で討たれて死ぬという衝撃のラストを迎える役だったという。果たして曲とドラマは合っていたのか…。
満足度★★★★★

C/W「and I close to you」
3rdアルバム『Versus』からのリカット。かなりノリノリでアップテンポな曲であり〈Baby Baby Baby~〉の歌い出しが強烈に印象的。当初はそこまで好きな曲でも無かったんだけど映画『【es】Mr.Children in FILM』でのライブ映像を観てからこのファンキーさが癖になった。キー高いしテンポ速いしでカラオケで歌いこなすのは難しい。
満足度★★★☆☆



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5thシングル「innocent world」
1994年6月1日 最高1位 初動20.6万枚 売上193.6万枚 登場41週
アクエリアスCMソング。「CROSS ROAD」のロングヒットで期待が高まっていたという事もあってか自身初のチャート1位を獲得し、自己最高売上を大幅に更新する大ヒット。94年のシングル年間1位にまで上り詰め、その勢いのまま年末のレコード大賞までかっさらってしまった。ミスチルにとって最大の転機となったシングル。売上では「Tomorrow never knows」「名もなき詩」に次ぐ自身3番ヒット。ちなみにこれ以降、2012年の「祈り~涙の軌道/End of the day/pieces」まで30作連続で1位記録が続く事となる。

当初は「Replay」のようなラブソングを仕上げる予定だったが、小林の「今の桜井だから歌えるものを」という提案により新たなミスチルの一面を見せる楽曲に完成したという。サビの〈いつの日もこの胸に流れてるメロディー〉という歌詞通りの、耳に残る圧倒的なインパクトを持った名曲。完成度バツグン。イントロの流れるようなギターフレーズは聴いた瞬間にテンションが上がる(このイントロは田原が作り上げたらしく、ファンからはこれだけで一生分の仕事をしたと絶賛されている)。ライブの定番曲でもあり、1番を観客に歌わせるのが定番となっている。僕が最も好きなライブテイクは映画『【es】Mr.Children in FILM』のもの。

中学生の頃、毎日学校から帰って来るなりCDデッキの前で歌う練習をしまくった思い出の一曲でもある(8cmシングル収録のオリジナルカラオケを利用していた)。しかし数あるミスチルの高音曲の中でも群を抜いてキーが高く、メロディーの素晴らしさを壊さずに歌いこなすのは至難の業。〈またどこかで会えるといいな~♪〉の〈会え〉でひっくり返らず歌えたら大したものだ。何とか1番、2番を乗り切ってもラストサビの高音連発では死亡確定。なので練習しまくった割にはカラオケで歌う頻度が少なくなってしまった。
満足度★★★★★

C/W「my confidence song」
アコギ一本の弾き語りで歌われる非常にシンプルな曲ながら歌詞は風刺と皮肉に溢れていてかなりメッセージ色が強い。A面だけでなくカップリング曲もここでガラリと方向性が変わっている。あっという間に終わってしまうが味があって中々良い。本来は「花はどこへ行った」というカバー曲を収録する予定だったが意訳が本来の意味とかけ離れている事からカバーとして認められずお蔵入りとなったらしい。ちなみにその訳詞は田原が担当したそうだ。
満足度★★★☆☆



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「Dance Dance Dance」
4thアルバム『Atomic Heart』、1stベスト『Mr.Children 1992-1995』収録曲。恋愛路線から精神論へと明確に方向性がチェンジしたこのアルバムのトップバッターを飾る曲。いきなりデジタルサウンド全開であり、Aメロは音域の高低が激しく、メロディーがあるんだか無いんだかよく分からないような複雑な展開。Bメロに至ってはボーカルにエフェクト加工まで施されている。3rdアルバム以前の世界観を予想していたファンは度肝を抜かれた事だろうけど、ライブでの一体感は随一。大ブレイクに伴いライブ会場の規模も一気に拡大していった時期だがそんな大観衆を揺り動かす起爆剤ナンバーとして非常に重要な働きをみせた名曲だ。ちなみに仮タイトルは「ひよこの武道館」。
満足度★★★★★

「ジェラシー」
4thアルバム『Atomic Heart』収録曲。人間の愛をテーマに歌っているが遺伝子レベルにまで深い話になっていてやはりそれまで以前とは歌詞のスケールが異なる。かなりディープなメロディーかつ打ち込み主体の曲で最初の頃は飛ばしていたが、『【es】Mr.Children in FILM』でのライブ映像を観てからは好きになっていった(Cメロ途中で映像が切れてしまうのが残念)。
満足度★★★★☆

「雨のち晴れ」
4thアルバム『Atomic Heart』、1stベスト『Mr.Children 1992-1995』収録曲。もしも鈴木がサラリーマンだったらという設定で作られボーカルも鈴木がとる予定だったが、曲に愛着を感じ始めた桜井が「自分に歌わせてほしい」と志願したというサラリーマンの悲哀ソング。〈1DK狛江のアパート〉というフレーズも飛び出すがこれは鈴木を主人公にしているが故のようだ。AメロBメロはラップっぽい作りになっており実験作という雰囲気が漂うがサビの開放感は心地いい。94年の「TOUR INNOCENT WORLD」ではメンバー全員がサラリーマン姿になってこの曲をパフォーマンスしていて印象的(その映像は『【es】Mr.Children in FILM』に収録)。ステージに再現されたオフィスにてスーツ姿で仕事に励むメンバー達だが、何故か田原だけは普段着で黙々とギターを弾いていてシュール。曲の終わり、バク転をやると見せかけてやらない桜井がお茶目だ。ちなみに仮タイトルは「環七での危険な遭遇」。
満足度★★★★☆

「Round About~孤独の肖像~」
4thアルバム『Atomic Heart』収録曲。都会の孤独を歌い上げるアップテンポなナンバー。どこかやさぐれたような曲調、歌い方がくすぐられる。Bメロで急にテンポが速くなる部分がツボ。〈自由と似てる でもどこか違ってる 見よう見真似で装うスタイル〉等は中高生時代に妙に胸を打たれたものだ。ベスト盤を引っ提げてのツアーでは演奏頻度が高いが、その割にベスト盤自体には収録されていなかったりする。ちなみに仮タイトルは「ひょんなことから田沼」。
満足度★★★★☆

「Over」
4thアルバム『Atomic Heart』、1stベスト『Mr.Children 1992-1995』収録曲。アルバムのラストを飾る王道バラード。「終わり」と「超える」という二つの意味をかけたタイトルからも分かるように悲しい恋の終わりの曲なんだけども決してくじけない力強さが感じられる大名曲。歌詞、メロディー共に神がかっているが後半に登場するギターソロもドラマチックで素晴らしい。このソロは高校時代に練習しまくった。ちなみに仮タイトルは「2beatでカン」であるが、これは元々のリズムが2ビート、そしてメロディーがKANを意識しているからだという。確かにサビのメロディーはKANの「言えずのI LOVE YOU」という曲と似ている(というかソックリ)。
満足度★★★★★



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6thシングル「Tomorrow never knows」
1994年11月10日 最高1位 初動67.0万枚 売上276.6万枚 登場27週
ドラマ『若者のすべて』主題歌として自身最大のヒットを記録。最終的な売上は276万枚にのぼり、当時の歴代シングル売上5位(現在は8位)に食い込む驚異的メガヒットだった。ちなみにこれだけの記録的ヒットにも関わらず集計期間の関係で年間1位は獲得していない(94年の年間1位は前述の「innocent world」で今作は22位。今作の売上は翌95年の方に大きく反映され、95年8月発売の「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」の5位を上回る年間4位につけている)。

曲の方は今さら説明するまでもない大名曲である。テレビでよく流れる崖の上で桜井が熱唱している部分だけを聴くと終始壮大でダイナミックな曲なのかと思いがちだがあの派手さは最後のサビだけで、1番・2番は意外に静か。溜めて溜めてラストにドーンと行く所がまた素晴らしい。他にも有名曲は沢山あるものの、ミスチルの代表曲はどれか?となった時にまず名前が挙がるのはこの曲だろう。

6thアルバム『BOLERO』や1stベスト『Mr.Children 1992-1995』ではremixバージョンが収録されている為、厳密にはシングルバージョンの音源は今作の8cmシングルでしか聴けない(一応アジア限定で発売されたベスト『LAND IN ASIA』でも聴ける)。シングル音源ではドラム等が打ち込みだが、remixではそれが生演奏に差し替えられている……という事なんだけど正直よく分からないし別に気にならない。DAMのカラオケでは丁寧にこのremixバージョンまでもが通常曲と別に入っていたりするが、生演奏バージョンを打ち込みのカラオケで再現するっていう非常にワケの分からない仕様になっていて混乱する。

この曲も「innocent world」と同じく、中学時代家に帰るなりCDデッキの前でひたすら歌う練習をした思い出の一曲である。この曲もキーが異常に高く、カラオケで歌う際にラストサビの〈誰かのた・め・に~♪〉の〈に〉が出せなくて本気で悩んだ(どうでもいいがココの桜井の歌い方は〈誰かのた・も・に~〉に聞こえる)。
満足度★★★★★

C/W「ラヴ・コネクション」
4thアルバム『Atomic Heart』からのリカット。当初、カップリングには次回作「everybody goes」を収録する予定だったが、出来が良かったためA面化が決定。そのために急遽この曲をカットしたらしい。アップテンポのロックンロールでやはり『Versus』以前には見られなかったような曲調。ノリノリな感じがお気に入り。高校時代にこの曲をバンドでコピーしライブをやったので思い入れも強い。観客のほぼ100パーセントがこの曲を知らなかったと思うけど構わず演り切った。
満足度★★★★☆



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7thシングル「everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~」
1994年12月12日 初登場1位 初動37.0万枚 売上124.0万枚 登場19週
前述の通り元々は「Tomorrow never knows」のC/Wとして作られていた曲だったが出来の良さから急遽シングル化された。「ライブで盛り上がる曲を」というテーマの元にイントロからエレキギターが炸裂するロックナンバーが完成。とびきりアッパーで弾けた曲調だが社会風刺をふんだんに盛り込んだ歌詞は暗くメロディアスさも薄い。今思うと「Tomorrow never knows」の1ヶ月後に出すには正直コケてもおかしくない程の変貌ぶりだが当時はミスチル現象と呼ばれる程の大ブレイク中だった故にチャート1位であっさりミリオンを突破(まさに〈退屈なヒットチャートにドロップキック〉したわけだ…)。更にタイアップ全盛の時代にも関わらずノンタイアップであり、それでも軽くミリオンを叩き出す勢いは本当に凄まじかったんだなと思う。あと当時のMステでダンサーの美女軍団に囲まれ揉みくちゃになりながら必死で歌っていた桜井の姿は衝撃だった。なぜスタジオがあんなディスコ状態だったのだろうか…。
満足度★★★★☆

C/W「クラスメイト」
前作のC/W同様に4thアルバム『Atomic Heart』からのリカット。新境地を見せたあのアルバムの中では初期寄りのミディアムナンバーだが浮気がテーマという事でやや大人っぽさが醸し出ている。オシャレな雰囲気が良い。ライブテイクでは00年の『TOUR Q』の映像が好き。
満足度★★★★☆



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「奇跡の地球」桑田佳祐&Mr.Children
1995年1月23日 初登場1位 初動60.6万枚 売上171.7万枚 登場18週
Act Against AIDS(AAA)による患者救済募金活動の一環として、サザンオールスターズの桑田佳祐とコラボしてリリースされた。1995年6月までの限定生産。トップミュージシャン同士による超豪華コラボだが、曲の方はサザンぽいという訳でもミスチルっぽいという訳でもなく、どことなく洋楽の雰囲気を漂わせるクールなナンバー(ちなみに作詞・作曲は桑田佳祐、編曲は小林武史&Mr.Childrenとなっている)。中学生時代に初めて聴いた頃はそこまで好きでも無かったんだけど、メロディーだけでなくギターサウンドやリズムの恰好良さに目を向けるようになってからはお気に入りの一曲になった。カラオケでは桑田役と桜井役に分かれてデュエットするというのが僕の周辺での定番だ(サビのメロディーが掴み辛く難しいのがネック)。2006年の『ap bank fes'06』で11年ぶりに実現したステージは最高だったなぁ。長らくアルバム未収録だったが、2002年の桑田ベスト『TOP OF THE POPS』にてようやく収録された。ミスチルサイドでは未だにアルバム未収録。
満足度★★★★☆



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8thシングル「【es】~Theme of es~」
1995年5月10日 初登場1位 初動52.1万枚 売上157.2万枚 登場19週
『Atomic Heart』から『深海』期のテーマの一つだったesという言葉を大々的に掲げた曲。esというのはジークムント・フロイトが提唱した精神分析学上の用語であり、心の全ての源となる部分、全ての創造・想像を産み出す源泉なのであるという。この時期のミスチルはやたらとこのesという言葉に執着していて、同年に公開された自身のドキュメンタリー映画のタイトルも『【es】 Mr.Children in FILM』だったし、前作「everybody goes」のジャケットの少年も「es君」という名前だった。

アコギ一本で弾き語り風に始まり、徐々にバンドやストリングスが重なり壮大な展開になってゆく。全体的にかなりシリアスな空気が漂うがメロディーの素晴らしさは最高レベル。文句なしの名曲だ。何かに苦悩しもがくような歌詞が印象的で、やはりこの時期の桜井の精神状態が何となく垣間見える。95年当時は阪神・淡路大震災やオウム事件といった大きな出来事が起こり〈何が起こっても変じゃない そんな時代さ〉というフレーズと嫌でも重なるが、20年以上経った現在聴いても非常に迫ってくるものがある。リリース後、長らくライブで披露される事は無かったが、『ap bank fes'10』や『Tour 2011"SENSE"』等、2010年代になってからは披露される場面も出てきた。
満足度★★★★★

C/W「雨のち晴れ remix version」
4thアルバム『Atomic Heart』収録曲のリミックスバージョン。「TOUR INNOCENT WORLD」での構成を踏まえ桜井による日記朗読なども交えた9分36秒に及ぶ大作となっている。ビデオ『【es】Mr.Children in FILM』でのライブ映像を先に見ていたのでこのバージョンにも思い入れがあるけどいかんせん長いのでそんなに聴く事は無いかな。
満足度★★★☆☆



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9thシングル「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」
1995年8月10日 初登場1位 初動56.2万枚 売上181.2万枚 登場18週
このCDに発生する売上金やアーティスト印税は全て同年1月の阪神・淡路大震災の義援金に充てられた。また、O社集計におけるノンタイアップシングルの売上歴代1位を記録。

シリアスなシングルが続いていたが、ここへきて爽快でアッパーな恋愛ソングが登場。全シングルの中でも一般知名度がかなり高い一曲なのではないだろうか。〈シーソーゲーム〉と〈She So Cute〉の韻の踏み方は見事。ここまで無心でハイテンションになれる曲はミスチルではそうそう無いかも。この曲でMステやCDTVに出ていたメンバーはみんなラフな格好で近所の優しいお兄さん的な雰囲気でとても良かった。ライブで盛り上がる事間違いナシなのに長年ライブで演奏されないのは「歌詞が何を言っているのかよく分からないから歌うのが恥ずかしい」という理由らしい。一生ライブではやらないと思っていたので2007年の『"HOME" TOUR 2007 -in the field-』で披露された時には驚いた。
満足度★★★★★

C/W「フラジャイル」
95年5月3日に渋谷でゲリラ的にライブをやった際にレコーディングされた音源でありミスチルでは唯一スタジオ音源が存在しない曲である。なかなかに攻撃的な曲であり最初はあまり好きでは無かったが聴いていくうちにこれはこれで良いなと思うようになっていったスルメ曲。
満足度★★★☆☆






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2016年02月26日

FIELD OF VIEW シングル&名曲レビュー 1995-2002

ビーイング系バンド・FIELD OF VIEW。初期のメンバーは浅岡雄也(ボーカル)、小橋琢人(ドラム)、小田孝(ギター)、安部潤(キーボード)。3rdシングル「Last Good-bye」をもって安部が脱退し、新津健二(ベース)がその後加入した。実は94年にviewというバンド名でデビューしシングル2枚(「あの時の中で僕らは」「迷わないで」)をリリースしていた。95年にFIELD OF VIEWとして再デビュー。数々のヒット曲を送り出すも02年初夏に解散。実は末期にthe FIELD OF VIEWへと改名していたのだけどあまり知られていない。


1stシングル『君がいたから』
(1995年5月15日 最高3位 初動19.5万枚 売上89.8万枚 登場19週)
作詞:坂井泉水、作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
フジテレビ系ドラマ『輝く季節の中で』主題歌として、1stシングルながらいきなり90万枚に迫る大ヒットを記録した。90年代ドラマタイアップの効果って凄かったんだなぁと改めて感じる。ちなみにこのドラマは石田ひかりや保阪尚輝、さらに中居正広や篠原涼子が出演しており医学生をテーマとした内容だったらしいけど全く知らない。坂井泉水、織田哲郎、そして葉山たけしという当時のビーイング黄金メンバーによる制作。淡々とした中に力強さを持ったミディアムナンバーである。初めて聴いたのは解散時に出たベスト盤『Memorial BEST~Gift of Melodies~』か、もしくはZARDのセルフカバーバージョン(96年のアルバム『TODAY IS ANOTHER DAY』に収録)だったと思うんだけどその時からメロディーの良さが好印象だった。ストレートに良い曲。浅岡の透き通るように瑞々しい歌声はこの頃から全開だ。これだけのヒットながら現在では「突然」や「DAN DAN 心魅かれてく」の影に隠れてしまっているのが勿体無い。
満足度★★★★★



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2ndシングル『突然』
(1995年7月24日 最高2位 初動23.2万枚 売上122.4万枚 登場16週)
作詞:坂井泉水、作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
大塚製薬『ポカリスエット』CMソング。年間No.1ヒットとなったDREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE/嵐が来る」(初動69.7万枚)とぶつかり最高位は2位だったが累計ではミリオンを突破。自身最大ヒットかつ唯一のミリオンセラーとなった。前作と同じ黄金メンバーによる提供曲でこれまたストレートな良質ポップス。まさにザ・90年代という感じのヒットナンバーだ。現在テレビ等でFOVが紹介される際にもこの曲が取り上げられる事が多く文句なしの代表曲と言える。初めて聴いたのは『ミュージックステーション』の過去映像を観た02年頃で、すぐさまブックオフで中古8cmシングルを購入した。
満足度★★★★☆



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「迷わないで」
作詞:浅岡雄也、作曲:多々納好夫、編曲:池田大介
1stアルバム『FIELD OF VIEWⅠ』収録曲。前身バンドview名義時代の2ndアルバムのリメイク。彼ららしい爽やかな空気が流れるミディアムナンバーで名曲。メロディーがとにかく素晴らしいし〈別れ惜しくて遠回りした 雨の帰り道あの日から初めて見せた笑顔 輝いてる〉というフレーズがいじらしくてお気に入り。1stベスト『SINGLES COLLECTION+4』に入っていた事でハマった。
満足度★★★★★

「明日のために」
作詞・作曲:浅岡雄也、編曲:安部潤
1stアルバム『FIELD OF VIEWⅠ』収録曲。アルバムのラスト一つ手前に配置されたどっしりバラード。失恋がテーマだがそれ以上に人生への向き合い方を提示してくれているような力強い名曲。〈誰よりも悲しみ 知っているふりして 甘えていただけさ〉等のフレーズが胸に染みる。
満足度★★★★☆



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3rdシングル『Last Good-bye』
(1995年11月13日 最高3位 初動13.7万枚 売上39.7万枚 登場13週)
作詞:坂井泉水、作曲:多々納好夫、編曲:葉山たけし
TBS系『世界ふしぎ発見!』エンディングテーマ。スピーディーなビーイングロックという感じの曲。メジャーコードとマイナーコードが微妙に入り混じった曲でそこまで突き抜けた売れ線ナンバーでは無いものの結構好きな一曲。ZARDはこの曲のみ長らくセルフカバーしていなかったが、05年のアルバム『君とのDistance』にてようやく実現した。あちらはこの原曲と比べてやや明るめなアレンジがなされている。特にイントロの時点では全くセルフカバーだと分からないので、初めてZARDバージョンを聴いた時は歌が始まってようやく「あっ、FOVの曲だ!」と気付きビックリしたのを覚えている。今作を最後にキーボード安部が脱退。
満足度★★★★☆



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4thシングル『DAN DAN 心魅かれてく』
(1996年3月11日 最高4位 初動18.5万枚 売上52.8万枚 登場11週)
作詞:坂井泉水、作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
イントロのジャカジャーン!というギターの音からテンションが上がるキャッチーで爽快な曲。フジテレビ系アニメ『ドラゴンボールGT』主題歌だった事もあり、僕ら世代(平成元年付近生まれ)に最も浸透しているFOVの楽曲は多分コレだと思われる。同世代でカラオケに行ってもFOVはあまり歌われないがこの曲だけは聴く機会が多かった。90年代J-POPど真ん中!という感じで初めて聴いた時から好きな一曲。前作を上回る50万枚オーバーのヒットとなったが、バンド自体の人気というよりはタイアップによって売れていた部分が強いようで次作ではまたセールスは下がり調子になってしまう…。
満足度★★★★★



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5thシングル『ドキッ』
(1996年5月20日 最高4位 初動11.5万枚 売上25.3万枚 登場8週)
作詞:山本ゆり、作曲:浅岡雄也、編曲:葉山たけし
全日空『ANA's パラダイス』CMソング。浅岡の作曲という事でシングルA面では初の自作曲。といってもこれまでと大きく作風が変わる事は無く、FOV王道の爽やかポップスに仕上がっている。地味な印象ではあるけどこの爽快感は何だかんだ心地良い。前作のテレビ出演時から参加していた新津がベースとして正式加入。20万超えは果たしたものの、ビーイング自体が既に勢いを失いかけていた事もあり最後のTOP10ヒットとなった。
満足度★★★★☆



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「Rainy day」
作詞:浅岡雄也・小田佳奈子、作曲:多々納好夫、編曲:徳永暁人
2ndアルバム『FIELD OF VIEWⅡ』収録曲。抜群に爽やかなのにタイトル通りどこか湿った空気が入り混じっているという奇跡の名曲。シングル以上にシングル級の風格を持った名曲である。アルバムの1曲目からこんな名曲が登場し、さらに前半でシングルを一挙に放出しているため『FIELD OF VIEWⅡ』は未だに頭でっかちなアルバムという印象になってしまっている…。それだけ存在感のある一曲だった。この時期の多々納好夫とFOVの相性はやはり抜群だったのだろう。
満足度★★★★★



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6thシングル『Dreams』
(1996年11月18日 最高14位 初動4.9万枚 売上8.6万枚 登場5週)
作詞:辻尾有佐、作曲:織田哲郎、編曲:徳永暁人
日本テレビ系ドラマ『ナチュラル 愛のゆくえ』エンディングテーマ。「DAN DAN 心魅かれてく」以来の織田哲郎登場だが、織田らしいキャッチーさは影を潜めていてまったりしたやや地味なバラードに仕上がっている。以前より好きになってはきたけど昔からそこまで印象の強く無いシングル曲である。ただPVが撮影された昭和記念公園はそこそこ近所なのでその点では思い入れがある。なお作詞の辻尾有佐はビーイングの歌手であり小松未歩提供の「青い空に出逢えた」(辻尾有沙名義)というシングルを97年に出しているが活動はそれっきり。
満足度★★★☆☆



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7thシングル『この街で君と暮らしたい』
(1997年4月23日 最高14位 初動4.1万枚 売上8.7万枚 登場6週)
作詞・作曲:小松未歩、編曲:葉山たけし
テレビ朝日系『超次元タイムボンバー』エンディングテーマ。前作の辻尾有佐同様にこの時まだデビュー前だった小松未歩が作詞作曲。FOVらしさを集約したような超・爽やかナンバーでありサビだけでなく全体を通して爽快なメロディーが連発される。何となく春の暖かさを感じる一曲。やっぱり小松未歩の曲は良い。ちなみに小松自身も1stアルバム『謎』にてセルフカバーしている。どちらかというとセルフカバーバージョンの方が僕は好きなのだが、イントロはFOVバージョンの方がお気に入り。
満足度★★★★☆



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「もう一度」
作詞:小田佳奈子、作曲:多々納好夫、編曲:明石昌夫
1stベスト『SINGLES COLLECTION+4』に収録された新曲の一つ。懐かしのシングル曲に浸ろうと何気なく中古で買ってきたベストの一発目に入っていたこの曲の名曲ぶりには不意を突かれた。シングル以上にFOVらしさ全開な良メロポップ。〈怖いもの知らずの日々 取り戻さないか〉〈何かを諦めたなら 瞬間(いま)が逃げてしまう〉等々の歌詞が迫ってくる。個人的に一番好きな曲はコレである。
満足度★★★★★



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8thシングル『渇いた叫び』
(1998年5月20日 最高19位 初動2.2万枚 売上4.6万枚 登場5週)
作詞・作曲:小松未歩、編曲:小澤正澄
ZAIN RECORDSから日本コロムビア(の中のビーイングレーベルBeat reC)に移籍後初のシングル。90年代後半~00年代前半の小中高生に圧倒的人気を誇った『遊戯王』テレ朝版タイアップ。しかし人気が爆発するのはむしろこの後に『遊戯王デュエルモンスターズ』として本格的にカードゲーム漫画になってからで、僕もこのテレ朝時代のアニメ第1作は後々レンタルビデオで後追いした。このテレ朝時代はVHS化のみで現在でもDVD化されておらずまるで無かった事にされているかのように視聴困難な作品である。楽曲の方は前作に続いて小松未歩提供。タイアップを意識したようで〈闇〉や〈もう一人の自分〉など『遊戯王』本編を思わせるフレーズが飛び出す。やはりFOVらしい爽快ナンバーだが結構ギターも鳴り響いているのは編曲を手掛けたPAMELAH小澤の影響か。アニメビデオを観て「良いなこの曲」と思い8cmシングルを中古購入したので多分FOVで初めて手にしたCDはコレだった…かな?
満足度★★★★☆

渇いた叫び

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9thシングル『めぐる季節を越えて』
(1998年7月29日 最高32位 売上1.3万枚 登場2週)
作詞・作曲:浅岡雄也、編曲:FIELD OF VIEW・池田大介
フジテレビ系『奇跡体験!アンビリバボー』エンディングテーマ。作詞作曲共に浅岡、更に編曲にもバンドが関わった初の完全自作曲。ザックリしたギターの音がかなり目立っており、バンドサウンド全開という点でもこれまでのシングルとは一線を画していると思う。スピーディーで爽快な曲だがただ爽やかなだけじゃなく骨太な印象も強くさらにメロディアス。FOVはバンドなんだという事を改めて感じられる名曲…なんだけどセールス的にはガクっと下がり1万枚前後がやっとという状況に…。
満足度★★★★★



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10thシングル『君を照らす太陽に』
(1998年9月23日 最高25位 売上1.6万枚 登場2週)
作詞:浅岡雄也、作曲:小田孝、編曲:FIELD OF VIEW・池田大介
TBS系『噂の!東京マガジン』エンディングテーマ。作詞は浅岡、作曲はギター小田であり前作に続く自作シングル。片想いの気持ちを歌うまったりした優しいミディアム曲で、派手さは無いけどこの穏やかなサウンドは心地良い。聴いていく内に段々と好きになって行った一曲。何だか夏の午後にでもゆったり聴きたい曲である。
満足度★★★★☆

君を照らす太陽に

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11thシングル『CRASH』
(1999年3月17日 最高35位 売上1.2万枚 登場2週)
作詞:AZUKI 七、作曲:綿貫正顕、編曲:池田大介
作詞はGARNET CROWのキーボード・AZUKI 七。当時GARNET CROWはまだデビューしていなかった為、AZUKI 七にとって今作が作詞家デビュー作となった。ロックテイストの一曲。ここのところ続いていた自作の流れが良かっただけにまた提供曲に戻ってしまったのが少し残念な気もするがこれはこれで良曲。初めて買ったベスト『Memorial BEST~Gift of Melodies~』のDisc-2にあたるここから先のシングルは買ってしばらく経ってから好きになっていった。
満足度★★★★☆

CRASH

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12thシングル『青い傘で』
(1999年5月19日 最高34位 売上1.2万枚 登場2週)
作詞:AZUKI 七、作曲:大野愛果、編曲:徳永暁人・FIELD OF VIEW
『筋肉番付』エンディングテーマ。爽快なアップナンバー。テーマは雨だが曲調はフレッシュで浅岡の澄んだ声も抜群に映える。中々好きな一曲。イントロが不可思議で面白い。
満足度★★★★☆



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13thシングル『Still』
(1999年7月28日 最高39位 売上1.0万枚 登場2週)
作詞:浅岡雄也、作曲:FIELD OF VIEW、編曲:FIELD OF VIEW・徳永暁人
TBS系『ワンダフル』エンディングテーマ。唯一となる「作曲:FIELD OF VIEW」のクレジット。切ない歌詞ながら曲調は前へ突き進んでいくようにパワフル。サビ前のトゥルルン♪というピアノの鳴りが絶品。自作という点も踏まえると完璧に近い一曲である。ちなみに仮タイトルは「王の道」。また4thアルバム『LOVELY JUBBLY』ではラストナンバー「Time is gone」終了後に街の雑踏が聴こえた後、シークレットトラックとして別バージョン「Still~ABBEY ROAD MIX~」が収録されている。楽曲自体は変わりないが全体的に柔らかい別ミックスになっているというものでこちらもかなり良い。原曲のガツガツ感が薄まりより流れるように曲が進んでゆく印象でどちらもそれぞれの良さがある。
満足度★★★★★

Still

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14thシングル『冬のバラード』
(1999年12月22日 最高35位 売上1.6万枚 登場3週)
作詞:小田佳奈子、作曲:多々納好夫、編曲:池田大介
TBS系『心の扉』エンディングテーマ。『Memorial BEST~Gift of Melodies~』のDisc-2を流し聴きしていた時に、初聴きで唯一ピンと来たのがこの曲だった。デジタルチックなサウンドを初めて取り入れたシリアスな曲だがメロディーが強いので耳に残る。ただファーストインパクトが大きかった分、今ではちょっと飽きた。
満足度★★★☆☆

冬のバラード

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15thシングル『Beautiful day』
(2000年2月23日 最高48位 売上0.9万枚 登場2週)
作詞:浅岡雄也、作曲:寺尾広、編曲:池田大介・FIELD OF VIEW
読売テレビ『しゃっふる』オープニングテーマ。オーケストラを交えた雄大なバラード。聴けば聴く程に染みてくる隠れた名曲。初聴時になぜピンと来なかったのか…02年秋の僕よ…。〈まだ何も始まっていない 未来を掴みたいよ〉〈この時代も色褪せてゆく それでも忘れないよ〉等、青年期の何とも言えない心の葛藤や迷いを綴る歌詞も良い。時が経つ程に自分の中で存在感が増してゆく曲だろう。
満足度★★★★★



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16thシングル『秋風のモノクローム』
(2000年10月11日 最高32位 売上1.1万枚 登場2週)
作詞:小田佳奈子、作曲:多々納好夫、編曲:池田大介
日本テレビ系『まねキン』エンディングテーマ。2ndベスト『FIELD OF VIEW BEST~fifteen colours~』と同時発売された。今作以降のシングルは解散ベストまで持ち越され、オリジナルアルバム未収録となる。楽曲はシリアス調の打ち込みナンバーで悪くは無いんだけど印象薄。デジタル路線だった5thアルバム『CAPSUL MONSTER』からの流れなのか、ここから先のシングルはバンド感が無くなってゆく。
満足度★★★☆☆



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17thシングル『Truth Of Love』
(2001年2月21日 最高48位 売上0.7万枚 登場1週)
作詞:浅岡雄也、作曲:河野雅昭
デモ段階のアレンジがそのまま採用されたため、編曲表記が無い。確かにデモそのまんまのような軽いアコースティックサウンドである。もしもガツンとしたバンドアレンジだったら…という気持ちもゼロでは無いが、このシックなバージョンも魅力的。切なくメロディアスなナンバーで聴き込む程に染みてゆく曲だ。
満足度★★★★☆



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18thシングル『夏の記憶』
(2001年5月30日 最高49位 売上0.7万枚 登場2週)
作詞:小田佳奈子、作曲:猪島庄司、編曲:新津健二・池田大介
レコード会社がBeat reCからZAIN RECORDSへ戻る事になり、バンド名をthe FIELD OF VIEWへと変更した。ただ現在テレビ等でFOVが取り上げられる時にこの改名後の名前が使われる事は殆ど無いように思うし、世間的にはこの改名は全く知られていないんじゃないかと思う。そんな謎の改名後初のシングルはどんよりした暗いトーンの一曲。どうにも良さを見出す事が難しく、チャートでは過去最低順位を更新してしまう…。
満足度★★☆☆☆



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19thシングル『蜃気楼』
(2001年7月25日 最高52位 売上0.4万枚 登場1週)
作詞:高森健太・Jane-F、作曲:高森健太、編曲:新津健二
ラテン調。これまた前作と被る暗いトーンの曲。改名して2連続で何故こんなダークナンバーだったのか…。この2曲は今でもパッとサビが出てこない。またも最低順位を更新。この辺りで既にバンドは限界を迎えていたのだろうか…。
満足度★★☆☆☆



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20thシングル『Melody』
(2002年7月10日 最高23位 売上1.2万枚 登場2週)
作詞:小橋琢人、作曲:小田孝、編曲:新津健二
TBS系『COUNT DOWN TV Neo』エンディングテーマ。今作の発売と同時に02年年内いっぱいで解散する事が発表された。個人的に唯一リアルタイムで聴いた曲である。02年当時の僕は中学生でちょうどJ-POPを本格的に聴き始めた頃であり、FOVのイメージは「90年代にヒットしていたスーツ姿の好青年バンド」位なものでまだ何の思い入れも無かった。なので僕のJ-POP史はFOVの解散と同時に始まったという妙な感慨がある。楽曲の方は打ち込みサウンドなもののFOVらしい爽やかさに溢れたポップスで実に聴き心地が良い。浅岡以外の3人がそれぞれ分担して制作するという新たな試みが行われているのもポイント(これでラストなのに…)。
満足度★★★★☆






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2015年07月21日

WANDS シングル&名曲レビュー 1991-2000

B'zやZARDと共に90年代ビーイングブームを駆け抜けたロックバンド・WANDS。上杉昇(ボーカル・作詞)、柴崎浩(ギター)、大島康祐(キーボード)からなる3人組として91年にデビューし、ミリオンヒットを連発。その後幾度かのメンバーチェンジを経て2000年に解体(解散)した時のメンバーは和久二郎(ボーカル)、杉元一生(ギター)、木村真也(キーボード)。最終的にはデビュー時のメンバーが一人も残っていないという一風変わったバンドであった。そんなWANDSの楽曲たちを紹介しよう。ちなみにわたくしマーがJ-POPにハマったのは02年である為、リアルタイムでのWANDSはほぼ知らない(アニメ『遊☆戯☆王』主題歌だった「明日もし君が壊れても」は知ってたけどあくまで曲を知っていただけでWANDSという認識は無かった)。中学生になってから同じビーイング系バンドのT-BOLANやFIELD OF VIEWらと一緒にハマり、ブックオフ等でアルバムを揃えていった。


1stシングル『寂しさは秋の色』
(1991年12月4日 最高63位 売上3.1万枚 登場7週)
作曲:栗林誠一郎、編曲:明石昌夫
デビュー曲。関西テレビ系ドラマ『ホテルウーマン』挿入歌。タイトル通り、秋という季節の侘しさや哀愁を感じさせるロックバラード。同時期に出たB'zの「ALONE」にも似た、どっしりとした印象がある。ビーイングらしい売れ線メロディーはこの頃から全開。心に染みる良い曲である。第1期だけに作曲は大島かと思っていたので栗林だったとは少し意外。ちなみに上杉はこの当時若干19歳だったようだが全く19歳に見えない。こんなにクールで落ち着いた10代がいるのだろうか…。
満足度★★★★★



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2ndシングル『ふりむいて抱きしめて』
(1992年5月13日 最高80位 売上2.0万枚 登場6週)
作曲・編曲:大島康祐
テレビ朝日系『OH!エルくらぶ』オープニングテーマ。打ち込み全開のダンサブルな曲調となった2nd。大島が在籍していた第1期のシングルの中で彼が作曲したものは意外にもコレだけである。大島作曲という点を意識すると確かに後の「時の扉」や「恋せよ乙女」の原型にも思える。ビーイングらしくタイトルがそのまま歌詞になっているサビは中々印象的で耳に残るが、まさにearly90'sといった軽い打ち込みサウンドはかなり時代を感じさせる。嫌いでは無いけど聴く回数はそんなに多くない。
満足度★★★☆☆



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3rdシングル『もっと強く抱きしめたなら』
(1992年7月1日 最高1位 売上166.3万枚 登場44週)
作曲:多々納好夫、編曲:葉山たけし
作詞は上杉と魚住勉の共作。『三井生命』CMソング。最終的に166万枚というビッグセールスを記録し、自身最大のヒット曲となった3rd。リリース当初は初登場47位と微妙なランクだったが、中山美穂とコラボした「世界中の誰よりきっと」の大ヒットに引っ張られる形でこの曲もチャートを上昇していったという感じだったらしい。初登場から実に29週目にしてやっと1位にまで上り詰めるという凄いチャートアクションであった。曲調はいかにもビーイングらしいポップなナンバー。王道中の王道といっても過言ではない仕上がりで文句なしの名曲となっている。こういうストレートな90年代ソングはやっぱり聴いていてひたすら心地良い。
満足度★★★★★



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『世界中の誰よりきっと』中山美穂&WANDS
(1992年10月28日 最高1位 初動13.6万枚 売上183.3万枚)
作詞:上杉昇・中山美穂、作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
中山美穂とのコラボレーションシングル。フジテレビ系ドラマ『誰かが彼女を愛してる』主題歌。初動13.6万枚を記録したが長渕剛の「巡恋歌」(初動20.8万枚)に阻まれ初登場は2位。しかしその後も毎週12~15万枚をコンスタントに売り上げ、12月28日付で登場8週目にして1位を獲得。累計183万枚を超える大ヒットとなり、中山美穂とWANDSどちらにとっても最高売上となった。作曲の織田哲郎にとっても最大ヒットである。

当時のビーイングの勢いを象徴するかのようにキャッチーで爽快なナンバー。間違いなく90年代J-POPを代表する名曲だ。『ミュージックステーション』や『FNS歌謡祭』の過去映像で流れるのを見ると中山と上杉のデュエットというよりは中山美穂メインでWANDSは完全なバックバンド扱いだったようだけど本人らはどう思っていたんだろうか。ちなみにWANDSのアルバムに収録された際にはメインボーカルを上杉が、コーラスを宇徳敬子が担当。クリスマスやパーティーっぽさを感じさせる原曲に対して、WANDSバージョンは秋っぽさを醸し出すミディアムアレンジになっておりそちらも良い。やっぱりメロディーが素晴らしいね。
満足度★★★★★



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4thシングル『時の扉』
(1993年2月26日 最高1位 初動22.2万枚 売上144.3万枚 登場14週)
作曲:大島康祐、編曲:明石昌夫
テレビ朝日系『ネオ・ドラマ』主題歌。自身初のチャート初登場1位を獲得。ミリオンを突破し、「もっと強く抱きしめたなら」に次ぐ自身2番目のヒット曲となった。前作を最後に大島が自身のユニット・SO-FIを結成するために脱退し、新たに柴崎の知人であった木村真也が加入した(これ以降がいわゆる第2期となるメンバー構成)。よってこのシングルの作曲者は大島であるものの、リリース時にはメンバーから外れている。元々は2ndシングルの候補曲だったらしく、ストックされていたのだろう。楽曲の方はダンサブルな打ち込みロックナンバー。似た路線の「ふりむいて抱きしめて」と比べると若干メロディアスな要素が追加されているかな、と思う。サビに入る前の「ダダダッダッダダッダダッ」というリズムが結構好きでテンションが上がる。代表曲のひとつ。
満足度★★★★☆

「声にならないほどに愛しい」
作曲:織田哲郎、編曲:明石昌夫
「時の扉」カップリング曲。MANISHに提供した同名曲のセルフカバー。スピーディーでメロディアスでまさにビーイング!という感じの曲でお気に入り。3rdアルバム『Little Bit…』に収録されているバージョンはギターソロが異なる。
満足度★★★★☆



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5thシングル『愛を語るより口づけをかわそう』
(1993年4月17日 最高1位 初動26.1万枚 売上112.1万枚 登場15週)
作曲:織田哲郎、編曲:明石昌夫
2ndアルバム『時の扉』と同時発売され、共に初登場1位を獲得。そのままシングルチャート・アルバムチャート共に4週連続で首位を守り、両方ミリオンという快挙を成し遂げた。ビーイングらしいポップで爽快なナンバー。サビの突き抜け感が本当に気持ち良い。90年代のこういう路線の楽曲は非常に好みであり初めて聴いた中学生の頃(02年頃)からお気に入りの一曲である。カラオケでもよく歌うんだけど僕の同世代には浸透していないのか反応が薄いのが残念…。ちなみにこの曲が1位を獲得した93年4月26日付のシングルチャートでは、2位がDEENの「このまま君だけを奪い去りたい」、3位がB'zの「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」でありTOP3をビーイングが独占。結局5週連続でビーイングがTOP3を独占するという凄い事態になっていた。そんでどれもタイトル長ぇよ!
満足度★★★★★

愛を語るより口づけをかわそう

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「星のない空の下で」
作曲:柴崎浩、編曲:WANDS
2ndアルバム『時の扉』収録曲。上杉が亡くなった親友について綴ったとされるらしいストレートなロックナンバー。シングルと肩を並べるか、それ以上の名曲。作曲が柴崎であり編曲もWANDSなので完全にメンバーだけで制作された曲であるようだ。
満足度★★★★★



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6thシングル『恋せよ乙女』
(1993年7月7日 最高1位 初動28.0万枚 売上81.9万枚 登場13週)
作曲:大島康祐、編曲:葉山たけし
『ブティックJOY』CMソング。「ふりむいて抱きしめて」「時の扉」に続いて、脱退した大島康祐の作曲シングル。ストックではなく、大島に発注して制作された楽曲であるという。だからなのか、「時の扉」と曲調や構成が似てる…というかソックリな気がしてしまう。重いギターや打ち込みのリズム等は相変わらず特徴的だけど、第2期WANDSのシングルでは聴いた回数が一番少ないかもしれない…。ちなみにこの年(93年)の3月29日付シングルチャートでB'zの「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」が1位を獲得して以来、同年7月26日付のチャートまでビーイング系列のシングルが18週連続で1位獲得を成し遂げており、その最後のシングルがコレであった。いかに当時のビーイングブームが凄かったかという事がわかる記録である。
満足度★★★☆☆



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「Little Bit…」
作曲:柴崎浩、編曲:葉山たけし
3rdアルバム『Little Bit…』収録曲。夜明け前の空気を醸し出すバラード。ストレートではなく若干クセのあるメロディー展開でこの時期では新鮮。聴き込む程に好きになっていく一曲だ。ベスト盤の類には収録されていないようなので聴くには3rdアルバムを入手するしかない。
満足度★★★★☆



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7thシングル『Jumpin'Jack Boy』
(1993年11月17日 最高2位 初動28.6万枚 売上82.7万枚 登場13週)
作曲:栗林誠一郎、編曲:葉山たけし
ミズノ・スキーウエア『インパルス』CMソング。初動28.6万枚を記録したが、当時大ヒットしていた藤井フミヤ「TRUE LOVE」の2週目がそれを上回る38.8万枚を叩き出してきたため最高順位は2位となった。僕が最初に買った97年のベスト盤『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』に何故か収録されなかったので、しばらく存在を知らなかった曲。その後しばらく経ってから『Mステ』の過去映像でサビを聴き、そのキャッチーで爽快なサウンドに一発で魅了され音源を購入。今まで長い間知らなかった事が非常に悔やまれるくらいに大好きな一曲となった。方向性としては「愛を語るより口づけをかわそう」の路線にスリリングなロック要素を加えたような感じ。このようなスピード感溢れる90年代ソングはいつ聴いても心が躍る。
満足度★★★★★



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8thシングル『世界が終るまでは…』
(1994年6月8日 最高1位 初動28.1万枚 売上122.1万枚 登場19週)
作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
テレビ朝日系アニメ『SLAM DUNK』エンディングテーマ。人気アニメ主題歌という事で、僕の世代ではWANDSで最も人気&知名度の高い楽曲である(このテの人気アニメを殆ど観ていなかった僕は02年頃になってようやく90年代のヒット曲として知ったわけだが…)。壮大なスケールのロックバラード。Aメロの〈大都会に~♪〉の部分からもう雰囲気抜群。「もっと強く抱きしめたなら」「時の扉」に次ぐ自身3番目のヒット曲となり、最後のミリオンセラーとなった。
満足度★★★★★

「Just a Lonely Boy」
作曲:柴崎浩、編曲:WANDS
「世界が終るまでは…」カップリング曲。彼らにしては明るくどこかパーティーソング的なノリでもあるポップソング。男性の「鈍い鈍い!」という呟きや女性の「ウフフッ♪」(タレントのローラみたいな声)というSEが随所に盛り込まれておりこれも新鮮。5thアルバム『SINGLES COLLECTION+6』で初めて聴いて以来大好きなナンバーでありWANDS全体でも一番好きな曲である。開放的な感じがイイ。
満足度★★★★★



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9thシングル『Secret Night~It's My Treat~』
(1995年2月13日 最高1位 初動29.4万枚 売上63.1万枚 登場10週)
作曲:栗林誠一郎、編曲:池田大介
TBS系『CDTV』オープニングテーマ。シングルでは自己最高初動をマーク、自身最後の1位を獲得した。栗林の「IT'S MY TREAT」という曲が原曲らしく、厳密にはカバー曲であるという。前作までと異なりかなりロック方面に振り切った曲であり、最初に聴いた中学生の頃は全く良さが分からなかった。WANDSは「世界が終るまでは…」が最後の名曲だな…と長らく思っていたのだけどある時期を境に急にこの曲の魅力に取りつかれてしまった。このロックな勢いがカッコイイと思うようになっていったのである。サビも抜群だがCメロの〈大空に 浮かぶ月が~〉の部分がまさに至高である。ちなみに1位は獲得したものの突然のロック化にリスナーも戸惑ったのか累計売上はダウンしてしまった。
満足度★★★★☆



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10thシングル『Same Side』
(1995年12月4日 最高2位 初動12.5万枚 売上23.4万枚 登場9週)
作曲:上杉昇・柴崎浩、編曲:WANDS
安室奈美恵の「Chase the Chance」(初動22.5万枚)に阻まれ2位。出だしはアコギメインで静かに始まるのだがサビでは爆音サウンドに変貌。上杉のボーカルもかなり荒れたデスボイスのようになっている超絶ヘビー曲。かつてのイメージとは程遠い曲調だが、2期初の完全自作シングルだし、上杉&柴崎のやりたい音楽と世間的なWANDSのイメージがかなり乖離していたという事が伺える。「Secret Night」同様にこれも最初全く良いと思わなかったのだがある時期を経て急に大好きな曲になってしまった。メロディーだけでなくサウンド全体の空気(?)も含めて楽しむように僕の聴き方が変わっていった影響だろう。
満足度★★★★☆



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11thシングル『WORST CRIME~About a rock star who was a awindler~』
(1996年2月26日 最高9位 初動8.3万枚 売上13.5万枚 登場6週)
作曲・編曲:柴崎浩
TBS系『CDTV』オープニングテーマ。2期WANDSのラストシングル。やはりロック方向へ傾倒した楽曲でありキャッチーさは薄いため最初は良さが見いだせなかったがある時期を(略)。サブタイトルは「詐欺師だったロックスターについて」という意味。後にWANDSだった頃を「アイドル時代」として揶揄するような発言をする上杉がつけたとなるとかなり意味深なタイトルである。やはりこの時期既にWANDSとしての活動に限界を見ていたのだろう。
満足度★★★★☆



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その後、ビーイングの音楽プロデューサー・長戸大幸が求めるスタイルと自らの音楽性の違いを理由に上杉が脱退。そして上杉の居ないWANDSには興味が無いとの理由で立て続けに柴崎も脱退(二人は97年にal.ni.coを結成しシングル3枚、アルバム1枚を発表し01年に解散。その後、上杉は猫騙、柴崎はabingdon boys schoolへとそれぞれ活動の場を移す)。

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12thシングル『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』
(1997年9月3日 最高4位 初動6.9万枚 売上21.3万枚 登場9週)
作詞・作曲:小松未歩、編曲:池田大介
WANDSを継続させる事を決意した木村は、新ボーカルに和久二郎、新ギタリストに杉元一生を迎え第3期WANDSを結成。このシングルで活動を開始した。フジテレビ系アニメ『ドラゴンボールGT』第4期エンディングテーマ。作詞・作曲はこの年にデビューしコナン主題歌等でヒットを飛ばしていた小松未歩。僕らの世代だと「世界が終るまでは…」と並んで知名度の高い曲であろうと思われる。ポップかつロックである絶妙な曲。ただアニメを観てたならば思い入れがあるんだろうけど観て無かった僕としては普通の一曲という印象だ。割とどっしりしていた上杉の声に比べて和久の声は細く高い。
満足度★★★☆☆



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13thシングル『Brand New Love』
(1998年2月11日 最高17位 初動3.3万枚 売上6.1万枚 登場5週)
作詞:坂井泉水、作曲:綿貫正顕、編曲:WANDS
三菱自動車『ミラージュマリオン&チャレンジャーシティクルージング』CMソング。最初に聴いた時、どこかで聴いた記憶があるな…と思ったのだが実はZARDの8thアルバム『永遠』収録のセルフカバーバージョンを先に聴いていたのである。原曲がWANDSだったとは長らく知らなかったので驚いた。ロックかつ耳に残るかなりカッコイイ一曲。
満足度★★★★☆



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14thシングル『明日もし君が壊れても』
(1998年6月10日 最高8位 初動3.6万枚 売上11.4万枚 登場8週)
作詞:坂井泉水、作曲:大野愛果、編曲:WANDS
テレビ朝日系アニメ『遊☆戯☆王』エンディングテーマ。これは『デュエルモンスターズ』としてカードゲーム主体となるテレ東版よりも以前の闇のゲーム中心のストーリーで、声優陣も作品世界も異なるものである。放送当時にVHSが出たのみで現在においてもDVD化はされておらず視聴困難であり実質封印作に近い。これは小学生の頃アニメをビデオで観まくっていたので思い入れもかなり強いがそれを差し引いても名曲。名曲過ぎてブックオフで8cmシングルを購入した程である(なので恐らくWANDSで初めて手にした作品はコレかも)。上杉以上に高い和久のキーはカラオケで入れると喉が崩壊する危険性が高いのでうかつには挑戦できない。
満足度★★★★☆



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15thシングル『「今日、ナニカノハズミデ生きている」』
(1999年3月31日 最高32位 売上1.5万枚 登場2週)
作詞:AZUKI 七、作曲:三好誠、編曲:WANDS
TBS系『ワンダフル』テーマソング。作詞はGARNET CROWのAZUKI 七、作曲はrumania montevideoのギター・三好誠。結果的にWANDSラストシングル。かなりハードなバンドサウンドが炸裂するがサビの展開は耳に残るものがある。「Brand New Love」と同系統であり結構好みの一曲。ポップかつロックな3期の方向性はかなり良かっただけにこれでラストになってしまったのがとても悔やまれる。やはりWANDSという名前が良くも悪くも影響してしまったのだろうか…。3期はもう別バンドとして見るのが正しい聴き方かもしれない。この年の10月に6thアルバム『AWAKE』をリリースしたが00年3月には公式サイト上で解体を発表する事となった。
満足度★★★★☆



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「雲が流れる方へ」
作詞:杉元一生、作曲:杉元一生・木村真也
第3期WANDS最初で最後のオリジナルアルバム『AWAKE』収録曲。自分探しがテーマのメロディアスなミディアムナンバーで文句ナシの超名曲。3期で最も好きな曲はコレである。切ない曲調ながら聴き終わる時には前向きな気持ちになれる。
満足度★★★★★



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「太陽のため息」
作詞:上杉昇、作曲:柴崎浩、編曲:葉山たけし
第2期の楽曲で、解散にあたって発売された00年のベストアルバム『BEST OF WANDS HISTORY』に未発表曲として収録された。レコーディングは4thアルバム『PIECE OF MY SOUL』の頃であり、ロックなサウンドに抜群のメロディーが乗るまさしく隠れた名曲である。やはりこの時期の上杉作詞・柴崎作曲の組み合わせは最強だった。ただ爽快な曲なんだけど歌詞は結構意味深。〈ペットショップの子犬じゃあるまいし 飼いならされたくはない〉〈風のように自由になりたいんだ すべて投げ捨てて〉〈気付けばもはや手遅れで 僕はプロデュースされているよ…〉等々のフレーズはビーイングにプロデュースされていた上杉自身を歌っているようで非常に刺さって来るものがある。
満足度★★★★★







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2015年07月13日

ZARD シングル&名曲レビュー 1997-2009

ZARDシングル&名曲レビュー後半戦。

デビューから96年までのレビューは
ZARD シングル&名曲レビュー 1991-1996
↑コチラですのでクリック。


19thシングル『Don't you see!』
(1997年1月6日 最高1位 初動23.2万枚 売上60.3万枚 登場14週)
作曲:栗林誠一郎、編曲:葉山たけし
フジテレビ系アニメ『ドラゴンボールGT』エンディングテーマ。アニメをあまり観てこなかった僕は、「マイ フレンド」同様またしても同世代よりも遅れてZARDのヒット曲として知った。99年のリクエストベスト『ZARD BEST~Request Memorial~』の1曲目という目立つ位置に収録されていた事もあり、一発で大好きな曲に。これも気分によってはマイベストNo.1に躍り出る事のある名曲である。サビも勿論の事、AメロBメロの切ない雰囲気も最高。特に2番頭の〈TAXI乗り場で 待ってた時の沈黙は たった5分なのにものすごく長く感じた〉の部分が大・大・大好き。間奏で挟み込まれる重厚なコーラスも印象的で、よくカラオケで再現しようと試みるが難しい。
満足度★★★★★



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20thシングル『君に逢いたくなったら…』
(1997年2月26日 最高2位 初動30.1万枚 売上63.6万枚 登場11週)
作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
この年年間1位となる安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」の2週目(46.1万枚)が君臨していたので最高順位は2位。TBS系ドラマ『理想の結婚』主題歌。ザックリしたサウンドが魅力的な爽やかポップソング。結婚ソングらしいけどあまりそういう認識は無い。PVではスタジオのリビングセットで無邪気にはしゃぐ泉水さんの姿が見れるのだがこれが最強に可愛らしい。このPV観たさにカラオケ(DAM)で入れる事も少なくない。名フレーズ満載だが2番サビの〈「大丈夫だよ」という君の言葉が 一番大丈夫じゃない〉が特に好き。言われたい。「Don't you see!」と共に2ヵ月後のセレクションアルバム『ZARD BLEND~SUN&STONE~』に一足早く収録された為、オリジナルアルバムには未収録。
満足度★★★★★



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21stシングル『風が通り抜ける街へ』
(1997年7月2日 最高3位 初動13.8万枚 売上28.1万枚 登場8週)
作曲:織田哲郎、編曲:徳永暁人
JRA夏競馬CMソング。ちょっとハズしたようなノリが受け付けなくて第1印象はかなり低かった(確かアルバム『永遠』で初めて聴いたんだと思う)。しかし聴いていく内にこの軽快なリズムが癖になっていき、現在ではかなり好きな一曲。天気の良い日に散歩しながら聴きたい。何よりタイトルが爽やかで良い。しかし同じように拒否反応を示したリスナーが多かったのか売り上げはガタ落ちしてしまった(次で一旦盛り返すけど)。
満足度★★★★☆

「遠い星を数えて」
作曲:栗林誠一郎、編曲:徳永暁人
「風が通り抜ける街へ」カップリング曲。カップリング屈指の名曲。やや抑え目のアレンジ、メロディーだがそれが素晴らしい。〈遠い星を数えて カッコいいことって カッコ悪いよ 醒めてるよりも 感情で生きてる人 熱い君を見てると 嬉しくなる〉のフレーズには元気を貰える。
満足度★★★★☆



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22ndシングル『永遠』
(1997年8月20日 最高1位 初動19.8万枚 売上62.9万枚 登場13週)
作曲・編曲:徳永暁人
日本テレビ系ドラマ『失楽園』主題歌。3大ミリオンに匹敵する人気と地位を確立している名バラード。広がりのあるサビは堪らなく染みる。タイアップだったドラマ(当時観てはいなかったけどかなり過激な内容だったと聞く)大人の恋愛が描かれてり、泉水さん曰くテーマは「秘めたる想ひ」なんだとか。文句なしの名曲である。アメリカ・カリフォルニア州のエルミラージ砂漠を車で走り抜けるPVも抜群に雰囲気がある。ZARDの中でも一番印象的なPVかもしれない。
満足度★★★★★



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23rdシングル『My Baby Grand~ぬくもりが欲しくて~』
(1997年12月3日 最高3位 初動14.5万枚 売上33.2万枚 登場9週)
作曲:織田哲郎、編曲:池田大介
NTTドコモ'97冬ソング。「Baby Grand」とは泉水さんがレコーディング時に愛用していたトイピアノの名前から来ているという。安定感のある極上メロディーと適度なバンドサウンドの融合はもはや神の域といっても良い程に素晴らしい。大名曲である。〈心許した ごく少数(わずか)な友人(ひと)には おしゃべりになれるのに〉のフレーズには共感する。
満足度★★★★★



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24thシングル『息もできない』
(1998年3月4日 最高3位 初動10.1万枚 売上24.1万枚 登場10週)
作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
フジテレビ系アニメ『中華一番!』オープニングテーマ。これはアニメを観ていたので、多分だけど人生で初めて触れたZARD曲だと思う。まぁ「運命のルーレット廻して」(コナン主題歌)と時期が近いから具体的にどっちかは覚えてないが…。思い入れが非常に深く、王道のパワフルナンバーで好きな一曲だ。ちなみにコレが最後の織田哲郎曲となる。カラオケDAMで入れると『中華一番!』のアニメ映像が流れるのだがそれが爆笑モノ。料理アニメなので主人公が敵と料理対決をするのだが、何故かを飛んだり、材料となる動物たちと肉弾戦を繰り広げたりまるでSFバトルアニメみたいな謎展開が炸裂するのだ。笑ってしまい歌えなくなる可能性が高いのでDAMでこの曲を歌う場合には心して入れる事を忠告させていただく。
満足度★★★★☆

息もできない

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25thシングル『運命のルーレット廻して』
(1998年9月17日 最高1位 初動12.2万枚 売上24.8万枚 登場9週)
作曲:栗林誠一郎、編曲:池田大介
日本テレビ系アニメ『名探偵コナン』オープニングテーマ。当時毎週観ていたコナン主題歌としてリアルタイムで触れた曲。母親に頼み込み8cmシングルを買ってもらったので、初めて入手したZARDのCDはたしかコレである。アニメでは派手なサウンドだったが、CDでは抑え目なアレンジへと変貌している。ただ元の楽曲自体が良いのでどちらも甲乙つけがたい。25パターンものアレンジが存在しているらしく、アニメ放映期間中でもアレンジ変更がされた(その内の一つは2012年の『ZARD Album Collection ~20TH ANNIVERSARY~』のPREMIUM DISKに収録されている)。
満足度★★★★☆

「少女の頃に戻ったみたいに」
作曲:大野愛果、編曲:池田大介
「運命のルーレット廻して」カップリング曲。映画『名探偵コナン 14番目の標的』主題歌。カップリング最強の名曲はやはりコレだろう。壮大なバラードでメロディーの美しさはピカイチ。晩期の重要作家である大野愛果初登場!
満足度★★★★★



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26thシングル『新しいドア~冬のひまわり~』
(1998年12月2日 最高3位 初動11.3万枚 売上20.5万枚 登場8週)
作曲:北野正人、編曲:古井弘人
サッポロビール『冬物語』CMソング。27thシングル「GOOD DAY」と同時発売で、カップリング無しの500円シングルとしてリリースされた。作曲は後にday after tomorrowのギタリストとしてエイベックスからデビューする事となる北野正人。まさかdat以前にビーイングに所属していてしかもZARDに曲提供していたとは驚きだ。王道のザックリした爽やかミディアム。演奏時間は6分を超え、シングルでは最長となるがそんなに怠くは感じない。やや地味ではあるけど、じわじわ来る良さを持った曲。ちなみに編曲の古井弘人は元GARNET CROW。
満足度★★★★☆

新しいドア~冬のひまわり~

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27thシングル『GOOD DAY』
(1998年12月2日 最高2位 初動11.4万枚 売上22.4万枚 登場8週)
作曲:綿貫正顕、編曲:池田大介
ビューティーラボ『ナチュラルカラー』CMソング。26thシングル「新しいドア~冬のひまわり~」と同時発売。暗く感情的なロックバラード。かなり染みる良い曲だけどベストの類に入っていないので、「新しいドア」に比べて扱いが悪い気がする。しかし売れたのはこっちの方なんだよね。
満足度★★★★☆



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「フォトグラフ」
作曲・編曲:徳永暁人
8thアルバム『永遠』収録曲。アルバムのラストを飾るバラード。メロディーがとにかく素晴らしく初めて聴いた時から大好きな一曲。無性に懐かしい気持ちになる曲調である。徳永屈指の名曲ではなかろうか。日本テレビ系スペシャルドラマ『刑事たちの夏』エンディングテーマ。
満足度★★★★★



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28thシングル『MIND GAMES』
(1999年4月7日 最高1位 初動7.6万枚 売上14.7万枚 登場6週)
作曲:綿貫正顕、編曲:綿貫正顕・古井弘人
ZARD最後のチャート1位獲得作品。フジテレビ系『プロ野球ニュース』テーマソング。パワフルな展開がツボに来る。〈流星の上の~♪〉という歌詞がメロディーと抜群に合っており最高。〈おっちょこちょいな彼と一緒に居ると こっちまでTrouble!〉とか〈でも生・き・て・る〉とか意味はよく分からないけど妙にハイテンションなフレーズが光る。『ZARD BEST~Request Memorial~』に収録された為オリジナルアルバムには未収録かつ他のアルバムには収録されていない。
満足度★★★★☆



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29thシングル『世界はきっと未来の中』
(1999年6月16日 最高2位 初動12.1万枚 売上20.1万枚 登場9週)
作曲:岩井勇一郎、編曲:徳永暁人・古井弘人・シオジリケンジ
坂本龍一「ウラBTTB」の4週目(13.5万枚)に敗れ惜しくも2位。テレビ朝日系ドラマ『舞妓さんは名探偵!』主題歌。9thアルバム『時間の翼』では「another style 21」。アルバムとシングルではかなりアレンジが異なるようだけど実はシングル盤を持っていないので王道アレンジしか聴いた事は無い。ZARDらしい一曲という感じで悪くは無いけど特別好きな一曲でも無いかな。
満足度★★★☆☆



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30thシングル『痛いくらい君があふれているよ』
(1999年10月14日 最高5位 初動6.8万枚 売上12.5万枚 登場6週)
作曲・編曲:シオジリケンジ
ネスカフェモーメントCMソング。個人的に最も印象が薄いシングルがコレ。淡々としていて盛り上がりに欠けるし、途中で炸裂するラップがまた何とも微妙。当時のJ-POP界の流れに合わせようと取り入れたのかもしれないが、ZARDにそういうのは求めてないし何より合わないと思うんだけどな…。ちなみに最後の8cmシングル。
満足度★★☆☆☆



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31stシングル『この涙 星になれ』
(1999年12月1日 最高5位 初動8.1万枚 売上12.9万枚 登場6週)
作曲:岩井勇一郎、編曲:古井弘人
テレビ朝日系ドラマ『科捜研の女』主題歌。ロック度の高い激し目の曲。メロディーは中々良いんだけどサウンドの打ち込み感が強くそこがちょっとイマイチかな。もっと骨太のサウンドで聴いてみたい一曲。
満足度★★★☆☆



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32ndシングル『Get U're Dream』
(2000年9月6日 最高4位 初動12.3万枚 売上24.1万枚 登場8週)
作曲:大野愛果、編曲:葉山たけし
NHKシドニーオリンピックテーマソング。この前後数作の中ではかなりハジけた魅力がある。この曲は『CDTV』のライブラリー等で耳にする機会も多かったし、この時期のシングル群では割かし好印象。NHKのテーマソングという事で同年の『第51回NHK紅白歌合戦』に出演する可能性があったらしいが、泉水さんが体調不良に陥ったため幻となったという。また体調不良で満足いく写真が用意できなかったのかジャケット写真は93年頃のものであるらしい。
満足度★★★★☆



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33rdシングル『promised you』
(2000年11月15日 最高6位 初動8.1万枚 売上11.5万枚 登場5週)
作曲:栗林誠一郎、編曲:Cybersound
テレビ朝日系『土曜ワイド劇場』主題歌。「運命のルーレット廻して」以来となる栗林の登場だが、当時栗林は既に表立った活動を停止していた為、ストック作だったと思われる(98年から現在に至るまで行方不明)。地味な印象のバラードだが、メロディーの良さは確か。
満足度★★★☆☆



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34thシングル『さわやかな君の気持ち』
(2002年5月22日 最高4位 初動4.4万枚 売上7.0万枚 登場5週)
作曲・編曲:徳永暁人
上戸彩が出演した花王『8×4』CMソング。この年(当時ワタクシ中学1年)からJ-POPにハマり、『ミュージックステーション』や『CDTV』をくまなくチェックするようになった。よって初めてチャートにランクインしてくるZARDを見たのはこのシングルからである。ただ当時は「負けないで」や「マイ フレンド」といった90年代のヒット曲の方に魅かれていたので、新作として出されたこの曲も「昔の曲と比べるとそんなに…」と思い借りたりはしなかった。過去曲の方が圧倒的に輝いて見えていた為である。しかし時が経ち改めて聴いていったらかなり良い曲である事に気づいた。〈空の青さ見るたび 口に出すのが恐くて 駆け抜けた季節だけ ずっと あなたを見ていたよ〉のフレーズには涙が出そうになる。しかし残念なのはこの淡々としたアレンジだ。これではせっかくの曲の魅力が半減してしまうような…。10thアルバム『止まっていた時計が今動き出した』では一転してロックなサウンドに変わっているがこれはこれで爽やかさが失われているように思う。「心を開いて」や「My Baby Grand」辺りの所謂王道アレンジでこの曲を聴いてみたい。
満足度★★★★☆



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35thシングル『明日を夢見て』
(2003年4月9日 最高4位 初動3.6万枚 売上6.2万枚 登場8週)
作曲:大野愛果、編曲:小林哲
日本テレビ系『名探偵コナン』エンディングテーマ。「運命のルーレット廻して」以来のコナン主題歌となったが、僕は当時既にコナンを観なくなっていた為『CDTV』のランキングやCMでちょっと耳にする位しか印象は無かった。当時中学のクラスでも「今度のZARDの曲良いよね!」と一部で話題になったりしていたが、その頃『ZARD BEST The Single Collection~軌跡~』『ZARD BEST~Request Memorial~』の99年ベスト2枚をを貪るように聴き絶賛懐古中だった僕は「90年代の方が名曲だらけなんだけどな…」と冷めた視点で流していたのを記憶している。今思えば嫌なガキである。そんなわけで確かにそこそこキャッチーさはあるけど未だにそこまで好きじゃない一曲。
満足度★★★☆☆



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36thシングル『瞳閉じて』
(2003年7月9日 最高4位 初動2.9万枚 売上4.4万枚 登場7週)
作曲:大野愛果、編曲:徳永暁人
フジテレビ系『すぽると!』テーマソング。前作と印象が被っており未だにそこまで好きじゃ無い一曲。それでも『CDTV』等で耳にしていたのでサビくらいなら記憶していたのだが…。
満足度★★★☆☆



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37thシングル『もっと近くで君の横顔見ていたい』
(2003年11月12日 最高8位 初動3.2万枚 売上5.0万枚 登場10週)
作曲:大野愛果、編曲:池田大介
『月桂冠「月」』CMソングとして大量オンエアされていたので耳には残っていたがやはり「90年代と比べると…」と思い借りたりはしなかった。未だにそこまで好きになれない一曲。大人っぽ過ぎるというか…。しかし最近になって周囲とZARDの話をすると「この曲が好き!」という声をちょくちょく聞く事があり驚く。
満足度★★★☆☆



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38thシングル『かけがえのないもの』
(2004年6月23日 最高4位 初動2.8万枚 売上4.6万枚 登場6週)
作曲:大野愛果、編曲:小林哲
TBS系『恋するハニカミ!』テーマソング。2000年代以降でのZARD代表曲はどれかと問われたらこの曲になるのではなかろうか。王道のミディアムバラードながら熱い秘めたる想いがひしひし伝わってくる名曲である。ファン人気も高く08年の『ZARD Request Best~beautiful memory~』のファン投票では「あの微笑みを忘れないで」「少女の頃に戻ったみたいに」に次ぐ総合3位という高順位を獲得し収録された(シングルに限れば1位である)。ラストに〈(心の)泉から溢れ出るこの気持ち〉と自身の名前がさりげなく入っている点からも特別感を匂わせる。
満足度★★★★☆



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39thシングル『今日はゆっくり話そう』
(2004年11月24日 最高5位 初動2.1万枚 売上3.3万枚 登場7週)
作曲:大野愛果、編曲:徳永暁人
『月桂冠「月」』CMソング。抑えめのサビだが、何よりサウンドに勢いを感じる。発売から数年経って大好きになった曲。オ~オ~オ~オ~というコーラスもツボ。やや言葉数を詰め込んだAメロも好きである。
満足度★★★★★



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40thシングル『星のかがやきよ/夏を待つセイル(帆)のように』
(2005年4月20日 最高2位 初動3.3万枚 売上8.0万枚 登場13週)
94年の「この愛に泳ぎ疲れても/Boy」以来となる両A面シングル。

「星のかがやきよ」
作曲:大野愛果、編曲:葉山たけし
両A面1曲目。日本テレビ系『名探偵コナン』オープニングテーマ。「Get U're Dream」以来5年ぶりに葉山たけしが復活という事でパワフルなアレンジが帰ってきた。全盛期程では無いけど中々好きなナンバーだ。
満足度★★★★☆

「夏を待つセイル(帆)のように」
作曲:大野愛果、編曲:葉山たけし
両A面2曲目。映画『名探偵コナン 水平線上の陰謀』主題歌。王道ミディアムでもあり、どこか新境地を思わせるような匂いも持ち合わせた名曲。当時CMでちょろっと聴いただけでも印象的だったのを覚えている。
満足度★★★★☆



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「君とのふれあい」
作曲:大野愛果、編曲:葉山たけし
11thアルバム『君とのDistance』収録曲。当時アルバムのCMでもこの曲が流れていた。ZARDバラードの集大成ともいうべき珠玉の一曲。年齢・キャリアを重ねた事による深みを醸しだす名曲である。
満足度★★★★★



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41stシングル『悲しいほど貴方が好き/カラッと行こう!』
(2006年3月8日 最高6位 初動2.0万枚 売上3.4万枚 登場14週)
両A面シングル。

「悲しいほど貴方が好き」
作曲:大野愛果、編曲:葉山たけし
両A面1曲目。日本テレビ系『名探偵コナン』エンディングテーマ。タイトル通り悲しさが滲み出たナンバーで悪くは無いんだけどどうも印象が薄い。
満足度★★★☆☆

「カラッと行こう!」
作曲:大野愛果、編曲:葉山たけし
両A面2曲目。フジテレビ系『めざましどようび』テーマソング。こっちも印象が薄いなぁ…。
満足度★★★☆☆



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42ndシングル『ハートに火をつけて』
(2006年5月10日 最高10位 初動1.7万枚 売上2.7万枚 登場9週)
作曲:大野愛果、編曲:葉山たけし
TBS系愛の劇場『すてきにコモン!』主題歌。まさかこれが生前最後のシングルになるとは思ってもいなかったので、出た当時はそんなに印象の無い曲だった。今になって見ると〈君の傍から もう 離れない 自分で選んだ人生(みち)だもの〉というフレーズが妙に胸に来る。情報によるとこの年の6月に泉水さんは子宮頸癌と診断されていたらしい。
満足度★★★★☆



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90年代の大ヒット期を超え、良曲を出しつつも徐々に存在が地味になりつつあった2007年5月に飛び込んできたのは「ZARD坂井泉水 入院先の病院の階段から転落死」というあまりにも信じ難い衝撃ニュースだった。当時高校の昼休みだった僕は母親からのメールでこの事実を知ったわけだがあまりに突飛な内容だったので「は?」となり数秒間思考停止状態に陥ったのを今でも覚えている。

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43rdシングル『グロリアス マインド』
(2007年12月12日 最高2位 初動5.0万枚 売上8.4万枚 登場10週)
作曲:大野愛果、編曲:葉山たけし
日本テレビ系『名探偵コナン』オープニングテーマ。泉水さんが人生で最後にレコーディングしたとされる曲で、未完成だった音源をやりくりして何とか一つの楽曲として仕上げている。その為サビ以外が英語だったり、1番の後間奏に入りまた1番が繰り返されるといった構成になっている。英語の部分は仮歌なのだろうか?もしも存命だったら後々日本語の歌詞に書き換えて発表されていたかもしれない。そんな諸々の経緯もあって中途半端な作りではあるものの、哀愁ある曲調ともあいまってそこが逆に涙腺を刺激する名曲に仕上がっている。ちなみにV6「way of life」(初動9.1万枚)に敗れ1位を逃した為、当時は「ジャニーズ空気読めよ…」という声を周りでよく聞いた。
満足度★★★★★



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44thシングル『翼を広げて/愛は暗闇の中で』
(2008年4月9日 最高3位 初動5.0万枚 売上8.4万枚 登場12週)
両A面シングル。

「翼を広げて」
作曲:織田哲郎、編曲:明石昌夫
映画『名探偵コナン 戦慄の楽譜』主題歌。両A面1曲目。93年にDEENに歌詞提供した曲のセルフカバー。レコーディング自体は10年以上前に行われていたらしいが発表は見送られていたという。無難で王道のカバーだがやはり良い曲だな~という事を再認識させてくれる。DEENバージョンではラストに泉水さん含め大黒摩季や川島だりあ等が登場し大合唱となって終わるがこちらはストレートにサビを歌い上げて静かに終わる。
満足度★★★★☆

「愛は暗闇の中で featuring Aya Kamiki」
作曲:栗林誠一郎、編曲:森下志音(SCHON)
両A面2曲目。日本テレビ系『名探偵コナン』オープニングテーマ。91年のデビューシングル「Good-bye My Loneliness」のカップリング曲をリメイク。生前の泉水さんによって歌詞が4行書き加えられている。当時ビーイングに所属しZARDを尊敬していたという上木彩矢がゲスト参加。原曲の硬質な感じが現代風の迫力あるバンドサウンドに変更されておりかなりカッコイイ仕上がり。元々は80年代のヘヴィメタルバンド・BLIZARD(ビーイング所属)の楽曲「EMPTY DAYS」のカバーであるという。
満足度★★★★☆

 DVD付  通常

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45thシングル『素直に言えなくて ~featuring Mai Kuraki~』
(2009年5月27日 最高5位 初動3.6万枚 売上5.0万枚 登場8週)
作曲:坂井泉水、編曲:岡本仁志
2ndシングル「不思議ね…」のカップリング曲であり、泉水さんが初めて作曲したというナンバーをリアレンジしてシングル化。現状、ZARD最後のシングル作品である。今回はコーラスとして倉木麻衣が参加しているが本当に些細なコーラスが入っているだけなので意識しないと気付かない可能性も高い。またも初期の硬質ロックナンバーを現代風にバージョンアップしたという感じで迫力が増しており聴き応えは抜群だ。
満足度★★★★☆

 DVD付  通常




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kazeno_yukue at 00:00|PermalinkComments(2)TrackBack(0)