KUWATA BAND

2013年05月16日

KUWATA BAND シングル&名曲レビュー 1986

サザンオールスターズの桑田佳祐が、妻である原由子の産休中であった1986年4月から1年限定で結成・活動したロックバンドKUWATA BAND。メンバーはリードボーカルの桑田佳祐を中心に、今野多久郎(パーカッション、ギター)、河内淳一(リードギター)、松田弘(ドラムス)、琢磨仁(ベース)、小島良喜(キーボード)。全英語詞であり唯一のオリジナルアルバム『NIPPON NO ROCK BAND』とライブアルバム『ROCK CONCERT』はそこまで聴き込んでいないので、ひとまず4枚出たシングルA面を紹介します。


1stシングル『BAN BAN BAN』
(1986年4月5日 最高3位 売上45.1万枚)
デビューシングルにして、4枚出したシングルの中で最大のヒットを記録した。歌詞にある通り〈緑の風〉を感じるような、ひたすら爽やかで軽快なデビュー曲。この曲を知ったのは中学生の頃に買った桑田佳祐名義のベスト盤『TOP OF THE POPS』でだったのだが、初めて聴いたその時からとてもお気に入りの一曲だ。サザンオールスターズとも桑田ソロとも異なる雰囲気があり、若干洋楽の香りも入っている。1986年という時代を考えてみるとかなり洗練されたポップスだったのではないだろうか。歌詞は少し切ないんだけど、この新緑の木漏れ日が浮かぶようなキラキラした世界観は素晴らしく胸を打つ。
満足度★★★★★



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2ndシングル『スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)』
(1986年7月5日 最高1位 売上35.5万枚)
3rdシングル「MERRY X'MAS IN SUMMER」と同時発売。オリコン初登場は5位だったが、徐々に順位を上げ6週目に1位を獲得。当時サザンではシングルチャート1位を獲得していなかったため、桑田さんにとってこの曲が初のシングル1位獲得曲となった。マイナーコードのロックチューンであり、かなりアダルティーなムードが全開。タイトルでもある「スキップビート」という単語を連発する箇所では完全に「スケベ~スケベ~スケベ~スケベ~」と歌っており、桑田さんらしい独特の言葉遊びはKUWATA BANDでも健在だ(歌番組でカバーしてたSuperflyは「スキビ~」って歌ってたけど…)。その色気たっぷりのムンムンしたアレンジに隠れているがかなりメロディアスな曲であり、こちらも中学時代からお気に入りの一曲。
満足度★★★★★



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3rdシングル『MERRY X'MAS IN SUMMER』
(1986年7月5日 最高3位 売上31.5万枚)
資生堂『サンズ パクト』CMソング。2ndシングル「スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)」と同時発売。作曲のクレジットは桑田佳祐ではなくKUWATA BANDとなっている。
軽快なテンポのポップな曲。メロディーの良さはもちろん、渇いたドラムの響きや間奏での絶妙なシンセサイザーの音色等アレンジが多彩で何度聴いても飽きない名曲。夏のクリスマスってどういう事?と思うが、オーストラリアなど南半球では夏にサンタがやって来るという風習が存在するらしい。KUWATA BANDのドラムスはサザンのメンバーでもある松田さんが叩いているのだが、この曲ではコーラスに原由子も参加しているという事でもはや半分サザンじゃんという気がしなくもない。『TOP OF THE POPS』ではDisc-2の1曲目に収録されていたので、長らくこの曲がKUWATA BANDのデビュー曲だと勘違いしていた。
満足度★★★★★



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4thシングル『ONE DAY』
(1986年11月5日 最高1位 売上19.8万枚)
ラストシングル。しっとりとしたピアノの調べから始まり、やがて壮大なアレンジに展開してゆくシングル唯一のバラード。桑田さんはこの曲について「格好つけ過ぎた」としてライブでも滅多に演奏しないそうだけど、ライトリスナー的にはこれは文句のつけようの無い名曲だと感じる。重たいバラード故にちょっと間延びする感じがして、初めて知った頃には前の3シングルに比べてあまり好きではなかったのだが、聴いていく内に段々とこの渋い魅力にハマっていった。大人の哀愁を匂わせるナンバーである。このリリースの翌年、解散コンサート『KUWATA BAND "FINAL" ぼくら:1987』を行い、KUWATA BANDはその幕を下ろした。
満足度★★★★☆






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kazeno_yukue at 11:21|PermalinkComments(2)TrackBack(0)