2017年04月11日

Mr.Children シングル&名曲レビュー その1 ~1992-1995~

わたくしマーが生涯で最もハマったバンドと言えるMr.Children。メンバーは桜井和寿(ボーカル・ギター)、田原健一(ギター)、中川敬輔(ベース)、鈴木英哉(ドラム)の4人。今や国民的とも呼ばれる彼らの楽曲を紹介していこう。デビュー期は屈託のないポップなラブソングを歌う好青年バンドだったが、93年暮れ~94年のブレイク期になるとやや難解な世界観が姿を見せ始める。

※2013年にこのブログで一挙レビューを書いたものの感想が古くなってきたので改めて現在の感覚で書き直して行こうと思う。今回はじわじわ追記型でのんびりやっていくのでどうかお付き合い下さい。




「ロード・アイ・ミス・ユー」
1stアルバムの1曲目を飾るまさに始まりの一曲。ジャッ、ジャッ、ジャッと刻むイントロが印象的。Aメロは暗いがサビになると明るいコード進行になる。初期3アルバムは4th以降と方向性がかなり異なる上に存在感も薄いので、記念すべき1曲目と言っても知名度は低い。昔よく見ていたファンサイトの情報によると96年~97年のツアー『regress or progress』で披露されたらしいがVHS化の際にあえなくカットされてしまったという。残念…深海期のミスチルがこの曲を演奏する所を見てみたかった……。
満足度★★★☆☆
収録アルバム:1st『EVERYTHING』

「CHILDREN'S WORLD」
初期らしいストレートなポップソング。いわゆる青春ソングと呼ばれる類の曲よりもさらに年齢の若い少年ソングという感じがする。ファンになった02年以降に後追いで聴いた際には「初期はこんな真っ直ぐでキラキラした曲を歌っていたのか…!」とビックリしたものである。タイトルにバンド名の一部が入ってはいるが、これといってミスチルを象徴する一曲!みたいな扱いをされているわけでは全く無い。
満足度★★★☆☆
収録アルバム:1st『EVERYTHING』



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1stシングル「君がいた夏」
1992年8月21日 最高69位 売上2.2万枚 登場6週
デビューは5月のミニアルバムだった為、形式的にはこの曲がデビュー曲として語られる。『EVERYTHING』からリカットされた爽やかなミディアムポップであり、ブレイク後の難解な世界観を打ち出すミスチルの姿はここには無い。〈夕暮れの海〉や〈ひまわりの坂道〉といった情景が浮かぶセンチメンタルな歌詞が可愛らしくメロディーも中々良いが、記念すべきデビュー曲とは言えキャリアの中では存在感は地味。92年当時にもしコレ聴いても、後に天下を獲る日本を代表するモンスターバンドだ!!とは到底思えないだろうなぁ…という気はしてしまう。ちなみにDEENの「君がいない夏」とタイトルが異常に似ているので混同しがち。「いる」のがミスチルで「いない」のがDEENである
満足度★★★☆☆

C/W「グッバイ・マイ・グルーミーデイズ」
軽快なテンポの一曲。初期らしく甘酸っぱい空気を纏っているが、ちょこまかした演奏だったり明確なサビが無い構成などが癖になり今ではA面よりも好きな曲だ。是非ライブで聴いてみたい。後の2ndアルバム『KIND OF LOVE』に収録された。
満足度★★★★☆



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2ndシングル「抱きしめたい」
1992年12月1日 最高56位 売上6.1万枚 登場16週
2ndアルバム『KIND OF LOVE』と同時発売。初期の楽曲ながら未だに多くのファンに愛される人気曲。所謂ブレイク前の隠れた名曲ポジション。タイトルと同じ〈だき~しめ~たい~♪〉というサビに全てが詰まっている名曲だ。しっとりした雰囲気で始まり、ラストは転調して盛り上がって終わるという構成で、ギターも結構鳴っておりイメージ以上に派手だったりする。AメロがGコード、サビがB♭、ラストサビがCで実は転調だらけの曲なのだがこれはプロデューサー小林武史(通称コバタケ)のアイデアだとか。
満足度★★★★☆

C/W「君の事以外は何も考えられない」
デビュー前の渋谷La.mama時代からあるというとびきり爽やかなポップソング。これも初期だからこその作風で、90年代後半のミスチルでは絶対に歌えなかったようなピュアさがあるが現在のミスチルならば一周まわって似合いそう。
満足度★★★☆☆



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「虹の彼方へ」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』収録曲。アルバムの1曲目を飾る実に爽やかなポップナンバーであり、シングルでもいけたんじゃないかという程に若さと勢いに満ちている。僕が初めて聴いたのは02年暮れ、桜井小脳梗塞後の一夜限り復帰ライブの生中継であった。アンコール明け一発目に弾き語りで歌われ、そのまま「Any」に繋がるという感動モノの演出だったので一際印象に残っている。動画サイトで96年頃に音楽番組でこの曲を歌っているミスチルを観た事があるけどあの鬱屈とした時期にはお世辞にも合っているとは言い難かったなぁ…。声も掠れてたし。
満足度★★★★☆

「Distance」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』収録曲。アルバムの中では「All by myself」と並んで暗いナンバー。最初に聴いた頃は全く引っ掛からなかったが何度か聴いていく内にお気に入りの一曲となっていった。高校生時代、周りにミスチルファンは増えたものの初期曲について語っている人は殆どおらず結局この曲の良さを語り合えたのは中学時代からの盟友Shall君だけであった。
満足度★★★★☆

「思春期の夏~君との恋が今も牧場に~」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』収録曲。桜井ではなくドラムの鈴木英哉がボーカルを担当しているという、ミスチル全楽曲の中でもかなりの異色曲。コンセプチュアルなアルバムづくりが主体となっていったブレイク以降ではこのようなお遊び枠というか、箸休め的な曲は皆無になったので鈴木の歌声が聴けるこの曲はかなり貴重だ。曲の方は思春期真っ只中の頃を回想するノスタルジックなほのぼのソングでサビでは桜井がコーラスを担当するという贅沢な仕様。
満足度★★★☆☆

「星になれたら」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』収録曲。JUN SKY WALKER(S)の寺岡呼人との共作であり、ファンタジー性溢れる初期の名曲。ベスト盤『Mr.Children 1992-1995』にも選出されていて2ndアルバムで最も人気が高いのはこの曲だろう。〈長く助走をとった方が より遠くに飛べるって聞いた〉というフレーズが好きで、昔から事あるごとに思い浮かべては勇気付けられている。いかにも初期らしい、キラキラした青春ソングだ。
満足度★★★★☆

「いつの日にか二人で」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』収録曲。アルバムの最後を締めくくるしっとりバラードで伴奏はピアノとストリングスのみ。〈あのひとから見れば僕は 年下のDearest Friend〉というフレーズから、年上女性への淡い恋心を歌っていると思われる。20代前半だったからこそ歌えた一曲であろう。
満足度★★★★☆



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3rdシングル「Replay」
1993年7月1日 最高19位 売上8.8万枚 登場9週
グリコ「ポッキー」CMソング。初の全国的なタイアップという事で気合いが入っていたのか、15秒にしっかり収まるように作られたサビはキャッチーで印象的。聴いていて非常に心地いい爽やかソングだ。大ヒットとまではいかなかったが初のTOP20入りを果たし、大ブレイクへの大きなステップとなった。この曲に関しては2011年に見に行ったライブ『STADIUM TOUR SENSE-in the field-』で生で聴けたのが思い出。まさかこんな懐かしのシングルを演奏するとは思っていなかったので嬉しかった。
満足度★★★★☆

C/W「All by myself」
2ndアルバム『KIND OF LOVE』からのリカット。初期にしては珍しいシリアスでダークな曲。チャカチャカしたギターのカッティングが印象的。96~97年のツアー『regress or progress』で披露されたようでドキュメントビデオには1コーラスのみ収録されておりこれが非常にカッコいい。肝心の本編のビデオには未収録なのが悔やまれる。
満足度★★★☆☆



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「Another Mind」
3rdアルバム『Versus』収録曲。ブレイク期以降の片鱗を匂わせるようにシリアスな一曲。〈誰かが定めた自分を演じてる〉〈流されるのも慣らされてたどり着けばいつも Oh No〉等の自分探し系フレーズは後の「名もなき詩」とかに通じる部分があるかも。
満足度★★★★☆

「メインストリートに行こう」
3rdアルバム『Versus』収録曲。弾けたシティポップという感じのアップナンバー。たぶん「Dance Dance Dance」とか「everybody goes」が出てくる以前はこの曲がライブの盛り上げ役だったのだろう。初期という事でどこか演奏が固いような気もするけどこの感じが割と好きである。
満足度★★★☆☆

「逃亡者」
3rdアルバム『Versus』収録曲。「思春期の夏」に続く鈴木英哉ボーカル曲であり更に今回は作詞作曲が小林武史という超絶異色曲となっている(インストを除くと桜井が詞曲ボーカルに関わっていない唯一の楽曲)。しかし小林曲といっても後のMY LITTLE LOVER等で見られるような哲学的な色は薄く、「思春期の夏」みたいなほのぼのした曲になっている。よく聴くと悪くない曲だが、やはりこれがミスチルの曲と言われると違和感しか無いであろう。ブレイク後は挟む余地が無くなり鈴木ボーカル曲はこれにて終了。
満足度★★☆☆☆

「LOVE」
3rdアルバム『Versus』収録曲。男の若さゆえの恋愛観を歌った陽気で甘酸っぱいポップソング。初めて聴いたのは『Mr.Children 1992-1995』でだったが、メロディーのどキャッチーさに一発で魅了され未だに大好きな一曲。ブレイク前のアルバム曲にもこんな良い曲があるんだ!と感激したのを覚えている。名曲である。最後のサビはほぼ息継ぎ無しで転調するのでカラオケで歌う際には肺活量が求められる。
満足度★★★★★

「my life」
3rdアルバム『Versus』収録曲。〈僕のラブレター〉〈壁の破れたー〉〈ついにフラれたー〉の韻がクセになる失恋ソング。と言っても終わった恋を明るく歌うポップスなので湿っぽさは皆無。『Mr.Children 1992-1995』にも選出されておりこのアルバムでは「LOVE」と並んで人気・知名度の高い曲である。歌詞に登場する「62円」は当時の郵便料金。
満足度★★★★☆



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4thシングル「CROSS ROAD」
1993年11月10日 最高6位 初動6.6万枚 売上125.6万枚 登場50週
チャート初登場9位を獲得しシングル初のTOP10入りを果たした後もじわじわ売れ続け、94年1月24日付で最高位の6位を記録。4月18日付でついに100万枚を突破し、自身初のミリオンセラー、更に最大のロングヒットとなった。日本テレビ系ドラマ『同窓会』主題歌として第1話分の台本だけを読んで曲を作った桜井が「ついに100万枚売れる曲が出来た!!」と叫んだというエピソードはあまりにも有名だがその予言の通りの大ヒットであった。確かにこれまでの楽曲と比べても詞・曲・アレンジの完成度やインパクトが桁違いで、バンドが新たなるステージに突入したというオーラがひしひしと伝わってくる。名曲である。この曲のヒットによってミュージックステーションやポップジャム等の音楽番組に初出演し、バンドの知名度も一気に上昇。「ミスチル現象」のまさに発端となったシングルであった。

ちなみにタイアップだったドラマ『同窓会』は同性愛をテーマとしたかなり過激でぶっ飛んだ内容だったらしい。このドラマには当時新人だったTOKIOの山口達也と国分太一も出演しており、特に山口は最後に矢で討たれて死ぬという衝撃のラストを迎える役だったという。果たして曲とドラマは合っていたのか…。
満足度★★★★★

C/W「and I close to you」
3rdアルバム『Versus』からのリカット。かなりノリノリでアップテンポな曲であり〈Baby Baby Baby~〉の歌い出しが強烈に印象的。当初はそこまで好きな曲でも無かったんだけど映画『【es】Mr.Children in FILM』でのライブ映像を観てからこのファンキーさが癖になった。キー高いしテンポ速いしでカラオケで歌いこなすのは難しい。
満足度★★★☆☆



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5thシングル「innocent world」
1994年6月1日 最高1位 初動20.6万枚 売上193.6万枚 登場41週
アクエリアスCMソング。「CROSS ROAD」のロングヒットで期待が高まっていたという事もあってか自身初のチャート1位を獲得し、自己最高売上を大幅に更新する大ヒット。94年のシングル年間1位にまで上り詰め、その勢いのまま年末のレコード大賞までかっさらってしまった。ミスチルにとって最大の転機となったシングル。売上では「Tomorrow never knows」「名もなき詩」に次ぐ自身3番ヒット。ちなみにこれ以降、2012年の「祈り~涙の軌道/End of the day/pieces」まで30作連続で1位記録が続く事となる。

当初は「Replay」のようなラブソングを仕上げる予定だったが、小林の「今の桜井だから歌えるものを」という提案により新たなミスチルの一面を見せる楽曲に完成したという。サビの〈いつの日もこの胸に流れてるメロディー〉という歌詞通りの、耳に残る圧倒的なインパクトを持った名曲。完成度バツグン。イントロの流れるようなギターフレーズは聴いた瞬間にテンションが上がる(このイントロは田原が作り上げたらしく、ファンからはこれだけで一生分の仕事をしたと絶賛されている)。ライブの定番曲でもあり、1番を観客に歌わせるのが定番となっている。僕が最も好きなライブテイクは映画『【es】Mr.Children in FILM』のもの。

中学生の頃、毎日学校から帰って来るなりCDデッキの前で歌う練習をしまくった思い出の一曲でもある(8cmシングル収録のオリジナルカラオケを利用していた)。しかし数あるミスチルの高音曲の中でも群を抜いてキーが高く、メロディーの素晴らしさを壊さずに歌いこなすのは至難の業。〈またどこかで会えるといいな~♪〉の〈会え〉でひっくり返らず歌えたら大したものだ。何とか1番、2番を乗り切ってもラストサビの高音連発では死亡確定。なので練習しまくった割にはカラオケで歌う頻度が少なくなってしまった。
満足度★★★★★

C/W「my confidence song」
アコギ一本の弾き語りで歌われる非常にシンプルな曲ながら歌詞は風刺と皮肉に溢れていてかなりメッセージ色が強い。A面だけでなくカップリング曲もここでガラリと方向性が変わっている。あっという間に終わってしまうが味があって中々良い。本来は「花はどこへ行った」というカバー曲を収録する予定だったが意訳が本来の意味とかけ離れている事からカバーとして認められずお蔵入りとなったらしい。ちなみにその訳詞は田原が担当したそうだ。
満足度★★★☆☆



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「Dance Dance Dance」
4thアルバム『Atomic Heart』、1stベスト『Mr.Children 1992-1995』収録曲。恋愛路線から精神論へと明確に方向性がチェンジしたこのアルバムのトップバッターを飾る曲。いきなりデジタルサウンド全開であり、Aメロは音域の高低が激しく、メロディーがあるんだか無いんだかよく分からないような複雑な展開。Bメロに至ってはボーカルにエフェクト加工まで施されている。3rdアルバム以前の世界観を予想していたファンは度肝を抜かれた事だろうけど、ライブでの一体感は随一。大ブレイクに伴いライブ会場の規模も一気に拡大していった時期だがそんな大観衆を揺り動かす起爆剤ナンバーとして非常に重要な働きをみせた名曲だ。ちなみに仮タイトルは「ひよこの武道館」。
満足度★★★★★

「ジェラシー」
4thアルバム『Atomic Heart』収録曲。人間の愛をテーマに歌っているが遺伝子レベルにまで深い話になっていてやはりそれまで以前とは歌詞のスケールが異なる。かなりディープなメロディーかつ打ち込み主体の曲で最初の頃は飛ばしていたが、『【es】Mr.Children in FILM』でのライブ映像を観てからは好きになっていった(Cメロ途中で映像が切れてしまうのが残念)。
満足度★★★★☆

「雨のち晴れ」
4thアルバム『Atomic Heart』、1stベスト『Mr.Children 1992-1995』収録曲。もしも鈴木がサラリーマンだったらという設定で作られボーカルも鈴木がとる予定だったが、曲に愛着を感じ始めた桜井が「自分に歌わせてほしい」と志願したというサラリーマンの悲哀ソング。〈1DK狛江のアパート〉というフレーズも飛び出すがこれは鈴木を主人公にしているが故のようだ。AメロBメロはラップっぽい作りになっており実験作という雰囲気が漂うがサビの開放感は心地いい。94年の「TOUR INNOCENT WORLD」ではメンバー全員がサラリーマン姿になってこの曲をパフォーマンスしていて印象的(その映像は『【es】Mr.Children in FILM』に収録)。ステージに再現されたオフィスにてスーツ姿で仕事に励むメンバー達だが、何故か田原だけは普段着で黙々とギターを弾いていてシュール。曲の終わり、バク転をやると見せかけてやらない桜井がお茶目だ。ちなみに仮タイトルは「環七での危険な遭遇」。
満足度★★★★☆

「Round About~孤独の肖像~」
4thアルバム『Atomic Heart』収録曲。都会の孤独を歌い上げるアップテンポなナンバー。どこかやさぐれたような曲調、歌い方がくすぐられる。Bメロで急にテンポが速くなる部分がツボ。〈自由と似てる でもどこか違ってる 見よう見真似で装うスタイル〉等は中高生時代に妙に胸を打たれたものだ。ベスト盤を引っ提げてのツアーでは演奏頻度が高いが、その割にベスト盤自体には収録されていなかったりする。ちなみに仮タイトルは「ひょんなことから田沼」。
満足度★★★★☆

「Over」
4thアルバム『Atomic Heart』、1stベスト『Mr.Children 1992-1995』収録曲。アルバムのラストを飾る王道バラード。「終わり」と「超える」という二つの意味をかけたタイトルからも分かるように悲しい恋の終わりの曲なんだけども決してくじけない力強さが感じられる大名曲。歌詞、メロディー共に神がかっているが後半に登場するギターソロもドラマチックで素晴らしい。このソロは高校時代に練習しまくった。ちなみに仮タイトルは「2beatでカン」であるが、これは元々のリズムが2ビート、そしてメロディーがKANを意識しているからだという。確かにサビのメロディーはKANの「言えずのI LOVE YOU」という曲と似ている(というかソックリ)。
満足度★★★★★



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6thシングル「Tomorrow never knows」
1994年11月10日 最高1位 初動67.0万枚 売上276.6万枚 登場27週
ドラマ『若者のすべて』主題歌として自身最大のヒットを記録。最終的な売上は276万枚にのぼり、当時の歴代シングル売上5位(現在は8位)に食い込む驚異的メガヒットだった。ちなみにこれだけの記録的ヒットにも関わらず集計期間の関係で年間1位は獲得していない(94年の年間1位は前述の「innocent world」で今作は22位。今作の売上は翌95年の方に大きく反映され、95年8月発売の「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」の5位を上回る年間4位につけている)。

曲の方は今さら説明するまでもない大名曲である。テレビでよく流れる崖の上で桜井が熱唱している部分だけを聴くと終始壮大でダイナミックな曲なのかと思いがちだがあの派手さは最後のサビだけで、1番・2番は意外に静か。溜めて溜めてラストにドーンと行く所がまた素晴らしい。他にも有名曲は沢山あるものの、ミスチルの代表曲はどれか?となった時にまず名前が挙がるのはこの曲だろう。

6thアルバム『BOLERO』や1stベスト『Mr.Children 1992-1995』ではremixバージョンが収録されている為、厳密にはシングルバージョンの音源は今作の8cmシングルでしか聴けない(一応アジア限定で発売されたベスト『LAND IN ASIA』でも聴ける)。シングル音源ではドラム等が打ち込みだが、remixではそれが生演奏に差し替えられている……という事なんだけど正直よく分からないし別に気にならない。DAMのカラオケでは丁寧にこのremixバージョンまでもが通常曲と別に入っていたりするが、生演奏バージョンを打ち込みのカラオケで再現するっていう非常にワケの分からない仕様になっていて混乱する。

この曲も「innocent world」と同じく、中学時代家に帰るなりCDデッキの前でひたすら歌う練習をした思い出の一曲である。この曲もキーが異常に高く、カラオケで歌う際にラストサビの〈誰かのた・め・に~♪〉の〈に〉が出せなくて本気で悩んだ(どうでもいいがココの桜井の歌い方は〈誰かのた・も・に~〉に聞こえる)。
満足度★★★★★

C/W「ラヴ・コネクション」
4thアルバム『Atomic Heart』からのリカット。当初、カップリングには次回作「everybody goes」を収録する予定だったが、出来が良かったためA面化が決定。そのために急遽この曲をカットしたらしい。アップテンポのロックンロールでやはり『Versus』以前には見られなかったような曲調。ノリノリな感じがお気に入り。高校時代にこの曲をバンドでコピーしライブをやったので思い入れも強い。観客のほぼ100パーセントがこの曲を知らなかったと思うけど構わず演り切った。
満足度★★★★☆



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7thシングル「everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~」
1994年12月12日 初登場1位 初動37.0万枚 売上124.0万枚 登場19週
前述の通り元々は「Tomorrow never knows」のC/Wとして作られていた曲だったが出来の良さから急遽シングル化された。「ライブで盛り上がる曲を」というテーマの元にイントロからエレキギターが炸裂するロックナンバーが完成。とびきりアッパーで弾けた曲調だが社会風刺をふんだんに盛り込んだ歌詞は暗くメロディアスさも薄い。今思うと「Tomorrow never knows」の1ヶ月後に出すには正直コケてもおかしくない程の変貌ぶりだが当時はミスチル現象と呼ばれる程の大ブレイク中だった故にチャート1位であっさりミリオンを突破(まさに〈退屈なヒットチャートにドロップキック〉したわけだ…)。更にタイアップ全盛の時代にも関わらずノンタイアップであり、それでも軽くミリオンを叩き出す勢いは本当に凄まじかったんだなと思う。あと当時のMステでダンサーの美女軍団に囲まれ揉みくちゃになりながら必死で歌っていた桜井の姿は衝撃だった。なぜスタジオがあんなディスコ状態だったのだろうか…。
満足度★★★★☆

C/W「クラスメイト」
前作のC/W同様に4thアルバム『Atomic Heart』からのリカット。新境地を見せたあのアルバムの中では初期寄りのミディアムナンバーだが浮気がテーマという事でやや大人っぽさが醸し出ている。オシャレな雰囲気が良い。ライブテイクでは00年の『TOUR Q』の映像が好き。
満足度★★★★☆



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「奇跡の地球」桑田佳祐&Mr.Children
1995年1月23日 初登場1位 初動60.6万枚 売上171.7万枚 登場18週
Act Against AIDS(AAA)による患者救済募金活動の一環として、サザンオールスターズの桑田佳祐とコラボしてリリースされた。1995年6月までの限定生産。トップミュージシャン同士による超豪華コラボだが、曲の方はサザンぽいという訳でもミスチルっぽいという訳でもなく、どことなく洋楽の雰囲気を漂わせるクールなナンバー(ちなみに作詞・作曲は桑田佳祐、編曲は小林武史&Mr.Childrenとなっている)。中学生時代に初めて聴いた頃はそこまで好きでも無かったんだけど、メロディーだけでなくギターサウンドやリズムの恰好良さに目を向けるようになってからはお気に入りの一曲になった。カラオケでは桑田役と桜井役に分かれてデュエットするというのが僕の周辺での定番だ(サビのメロディーが掴み辛く難しいのがネック)。2006年の『ap bank fes'06』で11年ぶりに実現したステージは最高だったなぁ。長らくアルバム未収録だったが、2002年の桑田ベスト『TOP OF THE POPS』にてようやく収録された。ミスチルサイドでは未だにアルバム未収録。
満足度★★★★☆



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8thシングル「【es】~Theme of es~」
1995年5月10日 初登場1位 初動52.1万枚 売上157.2万枚 登場19週
『Atomic Heart』から『深海』期のテーマの一つだったesという言葉を大々的に掲げた曲。esというのはジークムント・フロイトが提唱した精神分析学上の用語であり、心の全ての源となる部分、全ての創造・想像を産み出す源泉なのであるという。この時期のミスチルはやたらとこのesという言葉に執着していて、同年に公開された自身のドキュメンタリー映画のタイトルも『【es】 Mr.Children in FILM』だったし、前作「everybody goes」のジャケットの少年も「es君」という名前だった。

アコギ一本で弾き語り風に始まり、徐々にバンドやストリングスが重なり壮大な展開になってゆく。全体的にかなりシリアスな空気が漂うがメロディーの素晴らしさは最高レベル。文句なしの名曲だ。何かに苦悩しもがくような歌詞が印象的で、やはりこの時期の桜井の精神状態が何となく垣間見える。95年当時は阪神・淡路大震災やオウム事件といった大きな出来事が起こり〈何が起こっても変じゃない そんな時代さ〉というフレーズと嫌でも重なるが、20年以上経った現在聴いても非常に迫ってくるものがある。リリース後、長らくライブで披露される事は無かったが、『ap bank fes'10』や『Tour 2011"SENSE"』等、2010年代になってからは披露される場面も出てきた。
満足度★★★★★

C/W「雨のち晴れ remix version」
4thアルバム『Atomic Heart』収録曲のリミックスバージョン。「TOUR INNOCENT WORLD」での構成を踏まえ桜井による日記朗読なども交えた9分36秒に及ぶ大作となっている。ビデオ『【es】Mr.Children in FILM』でのライブ映像を先に見ていたのでこのバージョンにも思い入れがあるけどいかんせん長いのでそんなに聴く事は無いかな。
満足度★★★☆☆



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9thシングル「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」
1995年8月10日 初登場1位 初動56.2万枚 売上181.2万枚 登場18週
このCDに発生する売上金やアーティスト印税は全て同年1月の阪神・淡路大震災の義援金に充てられた。また、O社集計におけるノンタイアップシングルの売上歴代1位を記録。

シリアスなシングルが続いていたが、ここへきて爽快でアッパーな恋愛ソングが登場。全シングルの中でも一般知名度がかなり高い一曲なのではないだろうか。〈シーソーゲーム〉と〈She So Cute〉の韻の踏み方は見事。ここまで無心でハイテンションになれる曲はミスチルではそうそう無いかも。この曲でMステやCDTVに出ていたメンバーはみんなラフな格好で近所の優しいお兄さん的な雰囲気でとても良かった。ライブで盛り上がる事間違いナシなのに長年ライブで演奏されないのは「歌詞が何を言っているのかよく分からないから歌うのが恥ずかしい」という理由らしい。一生ライブではやらないと思っていたので2007年の『"HOME" TOUR 2007 -in the field-』で披露された時には驚いた。
満足度★★★★★

C/W「フラジャイル」
95年5月3日に渋谷でゲリラ的にライブをやった際にレコーディングされた音源でありミスチルでは唯一スタジオ音源が存在しない曲である。なかなかに攻撃的な曲であり最初はあまり好きでは無かったが聴いていくうちにこれはこれで良いなと思うようになっていったスルメ曲。
満足度★★★☆☆




この続きとなる10thシングル「名もなき詩」以降のレビューは
Mr.Children シングル&名曲レビュー その2 ~1996-2000~
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